栽培初心者ですが…
チューリップの育て方を教えてください。
春に楽しむ花の中で、秋に球根を植えるチューリップの栽培はかんたんで初心者におすすめです。
この記事では、チューリップの育て方を紹介します。
時期や、球根の向き、球根の植え方、水やり、肥料などの育て方の全般を解説しますので、ぜひ球根を入手して、栽培をはじめましょう。
また、球根は1シーズンのものと割り切ることも多いのですが、上手に育てれば毎年楽しむことができます。花を早めに切る、葉を残す、など、球根を育てるポイントも紹介します。
チューリップ
チューリップは、春を彩る花の代表です。
秋に球根を植えて、冬を土の中で過ごし、早春に発芽して、春に開花します。基本的には、植えれば育って花が咲くとまで言われる初心者向きの球根植物です。
チューリップは、花の色、花の咲き方(一重咲き、八重咲き、フリンジ咲き、ユリ咲きなど)に多くの種類があります。
また、花の咲く時期では、3月頃から咲く早生(わせ)、4月頃に咲く中生(なかて)、5月頃に咲く晩生(おくて)があります。
色々な種類が入ったミックス球根を購入すると、一斉に咲きそろわず、咲く時期がずれることもありますが、色々な種類の花を長く楽しめることが多いです。
球根植物なので、花が咲いてからも球根を上手に育てれば、毎年花を楽しむことができます。
チューリップの球根は植えっぱなしにせず、夏の前に掘り上げるのをおすすめします。乾燥や過湿に弱く、日本の蒸し暑い夏を土の中で過ごすのは苦手で、掘り上げたほうが次のシーズンも元気に育ちます。
植えっぱなしにするなら、原種チューリップがおすすめです。
基本データ
名称 | チューリップ |
栽培難易度(5段階) | ★☆☆☆☆ |
植える時期 | 11月頃 |
開花時期 | 3-5月頃 |
草丈 | 10-70cmくらい |
花の色 | 赤,白,黄色,ピンク,紫 など |
特徴 | 初心者向け |
育て方
時期や植え方
球根を購入して植えましょう。鉢植えでも地植えでも可能です。
- 時期
- 10月末-11月頃で気温が15-20℃くらい(地温が10-15℃)になってから植える。暖かい間に植えると根が伸びず、球根が蓄えた養分で芽は出るが、花が咲く前に枯れることがある。
- 球根の選び方
- 傷のない大きめの球根。(球根が小さいと花が小さい)
- ネットショッピングなど実物を手に取って見られない場合は、口コミなどを参考にしましょう。
- 場所
- 日あたりのよい屋外。
- 明るい日陰や半日程度の日あたりのところでも育つが、花は小さめで開花が遅くなる。
- 開花のためには冬の寒さが必要です。ただし、霜や凍結の心配があれば、わらや不織布などでマルチングして防寒する。鉢は軒下などに移動してもよい。
- 土と肥料
- 鉢なら、市販の元肥入りの培養土が便利。
- 地植えは、深く耕して緩効性の肥料を混ぜる。
- 株間
- 通常は10-15cmくらい。
- 距離をつめて植えると花の見栄えがよくなるが、来年に向けて球根は育ちにくくなるので、この場合は1シーズンの花と割り切って楽しみましょう。
- 植え方
- 植えたら水やりをする。
秋に土に植えた球根は、早春に発芽します。
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球根の向き
チューリップの球根は、尖っているのが上で、横は平たい面と丸みのある面があります。
平たい面に対して水平方向に葉が出るので、平たい面を基準に並べて球根を植えると、葉の向きが揃いきれいに花が並びます。特に寄せ植えなどで密に植える時は、葉が重ならないように工夫します。
球根の殺菌処理
購入した球根は殺菌処理済ですが、土から掘り上げた球根は、病気の予防のために、殺菌剤で殺菌処理をしてから植えましょう。
殺菌剤は、ベンレート(500倍)か、オーソサイド(400倍)がよく使われます。バケツなどに規定倍率に希釈した殺菌剤を作り、球根を入れます。希釈倍率や使用方法は製品の説明書に従ってください。
水やりと肥料
- 水やり
- 発芽前から開花後まで
- 多湿は嫌いますが、乾燥も嫌います。鉢植え、地植えともに、表面が乾燥したら水やりをしましょう。
- 冬場でも完全に乾燥すると、根が張らず、花が咲かないことがあります。冬場の水やりも必要です。
- 発芽前から開花後まで
- 肥料
- 植え付け時に元肥を入れているので、次は発芽したら緩効性肥料を追肥します。
- 花が終わってから、次のシーズンのための球根を育てるなら、2週間に1回程度液肥を与えるか、緩効性肥料を土の上にばらまきます。
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花が咲いたら、終わったら
花が咲いたら、次のシーズンのために球根を育てるかどうかによって、花を切るタイミングが変わります。
- 球根を育て、来シーズンも花を咲かせる → 球根は、花が終わってから葉が枯れるまで土の中で育ててから掘り上げて保存する
- なるべく早めに花を切って、球根の負担を減らす
- 葉は残し、茎をハサミが届く下の方で切る
- 咲ききる前に切ったら、切り花として楽しむ
- 球根は1シーズンだけと割り切る → 花が終わったら片づける
- 花を咲かせ続けて楽しむ
- 球根は花を維持するためにエネルギーを使うので、来年の開花は期待できない
- 花が終わったら、そのまま放置すると腐って病気の原因になるので、花の首元で切って処分する
- 花が全部咲き終わったら、茎や葉を球根ごと抜いて処分する
球根を育てるポイント
来シーズンも花を咲かせる球根を育てるポイントをまとめて紹介します。
花を早めに切らずにしっかり咲かせて楽しんだり、球根を密植して1シーズンだけ楽しむ場合は、来年の花は期待できないので必要ありません。
花が咲いて弱っていく球根の負担を減らして、球根を太らせることが重要です。
- 花は早めに切る 花を咲かせ続けると球根はエネルギーを使って弱るので、早めに切る。切った花は、切り花として楽しむこともできる。
- 葉を残す 球根が育つには、葉が光合成をしっかりすることが重要。
- 日に当てる 光合成のために必要。
- 乾燥しないように水やりをする 過湿と乾燥を嫌いますが、表面が乾いたらたっぷり水を与える。
葉が枯れたら球根を掘り上げる
5月末から6月頃になると、葉が黄色くなって枯れてくるので、球根を掘り上げます。
梅雨入りのころなので、天気予報を確認して、長雨の前に掘り上げるようにしましょう。
掘り上げたら、枯れた葉や茎は手でひねって外し(難しかったら乾燥後にはさみで切る)、球根は日陰で乾燥させてから蒸れないようにネットなどに入れて、冷暗所で秋まで保管します。
チューリップの球根は植えっぱなしにせず、夏の前に掘り上げるのをおすすめします。乾燥や過湿に弱く、日本の蒸し暑い夏を土の中で過ごすのは苦手です。
球根の分球
チューリップの球根は分球します。(すべての球根植物が分球するわけではありません。)
分球とは、球根が分かれて増えることで、大きめのものに分かれたり、とても小さな子供の球根がくっついていることもあります。
分球した球根は、手でぱきぱきと分けて、大きさを選り分けます。
大きめの球根は、次のシーズンも花を咲かせることができます。
あまり小さい球根は、残念ながら花は咲かないことが多く、処分するか、数年かけて花が咲くような大きさの球根に育てるため、秋に土に植えて育てます。
まとめ
この記事では、チューリップの育て方を紹介しました。
チューリップは春を代表する花の一つで、栽培は簡単なので初心者にもおすすめです。
夏の終わりには球根の販売が始まり、人気の種類は売り切れることが多いので、お気に入りの花を探して、早めに購入されることをおすすめします。
春が楽しみになるチューリップの栽培をはじめましょう。
こちらからお気に入りの球根を探しましょう。
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