夏の水やりについて、回数や時間など、やり方を教えてください。
また、留守をする時はどうしたらいいですか?
植物の成長には水が必要ですが、毎日暑い日が続くと、すぐにカラカラに乾いて、いつ、どれくらい水やりをしたらよいのか不安になります。また毎日お世話が必要でも、留守中は水やりができません。
ここでは、植物の夏の水やりの時間帯、回数などのやり方と、萎れた時の水やりや、乾燥を防ぐ方法について解説します。
水やりができない留守中の対策についても、留守の期間や場所別に解説し、便利な給水器、保水剤、自動散水器のおすすめ10選と合わせて紹介しています。留守中だけでなく、普段から利用をおすすめしたい便利はものもあります。
暑い季節は特に環境に適した水やりは難しいものですが、ぜひこの記事を参考していただければと思います。
それでは、夏の水やりについて紹介します。
夏の水やりの基本とコツ ー時間帯や回数などー
植物への水やりは、乾いたらたっぷりとやるが基本です。たっぷりとは、鉢植えなら底から流れ出すくらい、地植えなら少し土を掘ってみて中まで濡れているくらいです。
- 夏の水やりの時間帯
- 朝9時ごろまでか、夕方17時ごろ以降。(=気温が高温でなく、日差しが弱い時。)
- 日差しが強い時に水やりをすると、撒いた水がすぐに高温になり根が傷むので、日中は避ける。
- 夕方は、影になれば地温はそれ以上は上がらないので、17時より前でもよい。
- 回数
- 乾いていれば1回。乾いていなかったら不要。
- よく乾くなら朝夕2回。
- 常温の水をやる
- ホースやバケツにたまって日射で熱くなったものは使わない。
- 株元に水をやる
- 株が茂っていると、上からかけても葉や茎が邪魔をして根に届かないので、株元にかける。
- 葉に水が残ると、レンズ効果で葉焼けになったり、カビなどの病気になりやすい。
- 花にはかけない。花が腐りやすくなり、花びらが変色することが多い。
- その他
- 水道からの散水ホースなど、強めの水圧で水やりをすると、土中の古い水や空気が押し出されやすく、土の中の温度が下がるので、植物が過ごしやすい環境になる。ただし、土が流れたり、根が傷まない程度にする。
しおれてしまったときの水やり
水やりをうっかり忘れたり回数が少なかったりして、植物が萎れてしまったら、次のように水やりをします。
- 鉢植え 朝夕以外でもすぐに水やりをします。
- 日陰や直射を避けるところに移動させて、たっぷり水やりをする。
- 鉢の中の温度を下げ、水を行き渡らせるため、水圧をかけて水やりをするか、鉢がつかるくらいたっぷりの水を入れたバケツなどに鉢ごと入れて、空気がぶくぶくと出なくなるまで水につける。
- 萎れているのが回復するまでは、日陰に置く。
- 地植え
- 移動できないので、できれば気温が高温でなく、日差しが弱い時にたっぷり水やりをする。
- 朝夕など気温が下がるまでに時間がある場合は、すぐにたっぷりと水やりをするが、水やりで地中が高温になるため、回復しなかったり、さらにダメージになる可能性がある。
乾燥を防ぐには
乾燥を防ぐことができれば、植物にとっては水不足がなくなり元気に過ごすことができ、水やりの回数を減らすことができます。
- 鉢植えの置き場所 日なたを好む植物は無理ですが、半日陰でも育つ植物の鉢植えは、影に置くと乾燥しにくくなります。
- マルチングをする マルチングとは、資材を使って土の表面を覆うことです。地植え、鉢植えともにマルチングをすれば、乾燥しにくくすることができます。
マルチングについて、次の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
留守をするとき
留守中に水やりができないと植物の水不足が心配です。
毎日のように水やりをしている植物を基準に、留守にする日数別に対策例をあげています。観葉植物や多肉植物など、もともと水やりが少ないものは、緩めの対策でよいかもしれません。
これらの対策は、実際に留守をする前に試してみて、水不足にならないか、十分に機能するかどうかを確認してから使うことをおすすめします。
置き場所 | 植え方 | 2-3日 | 1週間程度 | 1週間以上 |
室内 | 鉢植え | 陰に置く マルチングをする 腰水をする 給水器を使う | 陰に置く マルチングをする 給水器を使う | 陰に置く 保水剤を使う 給水器を使う 自動散水器を使う |
屋外 | 鉢植え | 陰に置く マルチングをする 素焼き鉢なら、影の場所の土に埋める | 自動散水器を使う | 自動散水器を使う |
屋外 | 地植え | 留守前にしっかり水やりをしてマルチングをする | 自動散水器を使う | 自動散水器を使う |
腰水をする
腰水とは、鉢植えの1/3~1/4程度の高さが水につかるようにすることで、植物は底面から水を吸い上げます(=底面給水)。夏の留守中の腰水は、鉢皿では水が少なく、温度が上がったり、乾く恐れがあるので、たらいや浴槽など水が十分入るものを使います。
腰水は数日程度なら水不足が解消できますが、長期は根腐れの心配があるので、おすすめできません。
水が高温にならないように影におきますが、1日中暗いところでは、水があっても植物が萎れるので、自然光のない浴室は、電灯をつけておきましょう。
屋外での腰水は、夏場は貯めた水の温度が上がるので、避けたほうが無難です。
給水器 おすすめ3選
ペットボトルを利用したり、毛細管現象を利用したり、水の量によって2-3日から1週間前後まで対応できます。
給水キャップ
ペットボトルのキャップとして取り付けて鉢に差し込みます。
水やり当番
毛細管現象を利用してペットボトルのに入れたチューブが水を吸い上げて、土に挿した先端部から水やりをします。電源は不要です。サイズはM、Lがあり、散水する量で選びます。
水やり楽だぞぅ
水を入れたペットボトルから、直径約1cm、長さ約60cmの綿の毛細管現象によって、鉢の土へ少しずつ水が移動します。
保水剤 おすすめ3選
液状、粒状などがあり、吸水ポリマーの保水剤をかけたり土に混ぜると、水を含んで蓄え、土が乾燥すると水を補給します。
水に溶けだした肥料成分も一緒に蓄えるので、水やりだけでなく、肥料を与える手間が少なくなります。保水効果のある期間は数か月から数年と製品によって異なりますが、ほとんどが自然に消滅するので、使用後の片づけは不要です。
ハンギングや鉢植えなど、留守をする時だけでなく普段から使用することもおすすめです。とても水持ちがよくなり、お世話が楽になります。
液状保水剤 アクアゲイン
約30倍に水で薄めて与えると、約2ヶ月間保水効果が持続するので、水やりの回数を減らせます。
液状保水剤 水やりヘルパー
5号鉢なら8ml程度を原液のまま直接かけてから水やりをすると、約3か月間保水効果が持続します。
粒状保水剤 水のお留守番
1Lの土に対して1gを混ぜて水やりをすると、1週間前後は水やりが不要で、効果は約3年間持続します。土に混ぜるタイプですが、鉢植えは土に数か所穴を開けて混ぜ込んで使えます。
自動散水器 おすすめ4選
指定した日と時間に散水してくれます。水栓に直接つなぐものや、水を貯めたタンクが使えるものなど、種類や価格もいろいろあります。
とても便利なので、普段から使用すると、暑くて忙しい毎日の水やりが楽になります。
セフティー3 散水簡易タイマー
水栓につなぎダイヤルで時間をセットすると、設定時間に水が出ます。電源不要で、分単位で若干誤差が出ますが簡単です。水やりホースなどタイマーに繋ぐ水やりの部品は場所にあわせて、別に準備が必要です。
セフティー3 散水タイマー デラックス SST-4
水栓につなぎ、水やりの時刻や間隔や給水時間が細かく設定できます。乾電池で動作します。水やりホースなどタイマーに繋ぐ水やりの部品は場所にあわせて、別に準備が必要です。
タカギ 散水自動水やりスターターキット
水栓にタイマー本体を取り付け、設定時刻に水やりができます。水やりホースや分岐栓など、最初に必要なものがセットになっていて、すぐに使用を開始できます。乾電池で動き、降雨を確認すると水やりを中止する雨センサーがついています。
自動 灌水器 水やり花子
設定した時間に、ソーラーパネルを電源としてバケツなどに貯めた水から、自動で散水するので、電源も水栓もいりません。ベランダなど、場所を選ばずに活躍します。
まとめ
この記事では、植物の夏の水やりの時間帯や回数、萎れた時の水やりや、乾燥を防ぐ方法について解説しました。
また、水やりができない留守中の対策についても紹介しています。
給水器を使えば、数日から1-2週間程度は水の心配がなく、保水剤や自動散水器を使えば、もっと長期でも対応できます。
保水剤や自動散水器は、留守中だけでなく普段から利用すると、毎日の管理がとても楽になります。
暑い季節は、基本の乾いたらたっぷりとやる水やりと、普段も留守中も便利な水やりの対策をして、植物とともに元気に乗りきりましょう。
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