ストックは、赤、白、ピンク、紫などの色の花が甘い香りとともに咲きます。春の花ですが、花苗は秋ごろに店先に並び、年内から開花して楽しむことができます。
一重咲きと八重咲がありますが、花の豪華さから八重咲きが人気です。
花苗を購入して栽培するか、または、種まきから始めることができます。ただし、人気の八重咲きを栽培するには、ストックの特性上、一重と八重を選別する必要があります。
ここでは、ストックの育て方の全般や管理の方法と、種まきや一重と八重の選別について紹介します。
年内に咲いたストックは年明けに切り戻しをすると、春にはふたたび開花し、2度楽しむことができます。
それでは、ストックの育て方を見ていきましょう!
▶種まきについて以下の記事でそれぞれ詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
ストック
ストックは、花穂が長く下から順に咲き、甘い香りに包まれる春の花です。夏に種をまくと年内に咲きます。
花色は、ピンク、赤、紫、黄などが淡~濃色あり、枝分かれせず1本の枝に花が1房咲く種と、分枝してスプレー状に花が咲く種があります。
寄せ植えにしたり、花もちがよいので、切り花としても人気があります。
冬から春に楽しむ花ですが、霜にあたると弱って枯れることもあるので、鉢植えなら屋内に入れたり、花壇では霜よけが必要です。
直根性(ちょっこんせい=根がまっすぐ下に伸びる)なので、種から育てたり、苗を購入した場合、根を傷つけないように崩さずに植えつけます。
一重咲きと八重咲きとその選別
花は一重咲きと八重咲きがあり、花にボリュームのある八重咲きに人気があります。
苗を購入する場合は、一重か八重か、咲いている花を見て選びます。
種から育てる場合は、八重咲きとして購入した種でも、ストックの特性で、一重と八重が半分ずつの割合で含まれていると種袋に記載されています。
一重と八重の選別は、種まき後に発芽するふたばを見るか、最終的には成長して咲く花を見るしかありません。
また、自家採取(=咲いた花から種を取ること)では、八重咲きは種ができないので、一重咲きの種しかとることができません。
基本データ
名称 | ストック |
栽培難易度(5段階) | ★★☆☆☆ |
種まき難易度(5段階) | ★★☆☆☆ |
種まきの時期 | 8-10月頃 |
開花の時期 | 11-4月頃 |
草丈 | 20cmー80cm程度 |
花の色 | ピンク,白,黄,赤,紫など |
特徴 | 一重咲きと八重咲がある 直根性 霜よけが必要 |
育て方
種まきからはじめる
ストックの種まきは、一重と八重を選別するかどうかで、まき方を変えるのがおすすめです。
- ビニールポットに3粒程度まいて、間引き後定植する
- 移植の回数が少なく、直根性なので、植え替えのリスクが減る
- 一重と二重の選別をするのにはあまり向かない
- 育苗箱でばらまきして、間引き後にポットにあげて育苗し、定植する
- 発芽したふたばを見比べて一重と八重を選別しやすく、選別後にポットに移植できる
- 植え替えの回数は増える
時期
8-9月にまくと、年内に開花します。
発芽適温は20℃前後なので、気温が高い8月~9月中旬は、室内など涼しい場所で管理します。あまり暑いと発芽しません。
屋外で自然に管理するなら、9月下旬以降の気温が下がってからの方が発芽率は上がりますが、年内の開花は難しくなります。
準備するもの
- 種
- 種まきの容器:育苗箱、3号ポットなど。
- 用土:元肥入りの花用の培養土が便利。比較的に暑い時期に種をまくので、雑菌の不安がない新品の用土がよい。
ストックの種はこちら。
育苗箱はこちら。
種まきの容器と土が一緒になったピートバンは便利です。
種まきの手順
- 種まき容器に土を入れる(育苗箱の土は3cm程度の深さがあればよい。)
- 種をまく。
- ビニールポットなら、2-4粒ずつ
- 育苗箱なら、ばらまき。
- 軽く土をかける。
- 水やりをする。種が流れたり飛ばないように霧吹きなどでやさしく。
播種後3-4日後に発芽します。
種まき後の管理
- 乾かさないこと
- 置き場所は、発芽までは日陰か室内で、芽が出たらできるだけ日に当てる。(徒長防止)
- 本葉がでたら、液体肥料を週に1回程度与える。
- 害虫対策
- アブラナ科のため、蝶が来て卵を産みやすく、アオムシになると新芽を食べつくされます。
- 防虫ネットをかける、オルトランを土の上にまく、葉裏の卵やアオムシは見つけ次第排除する、などの対策が必要。
一重と八重の選別
発芽したら、1週間以内くらいのふたばの段階で、一重と八重を選別し、残すものはそのまま、残さない方は抜き取るか株元をハサミで切ります。
間引き
一重と八重の選別でも間引きできますが、選別しない場合は間引きをします。
- ピンセットで抜くか、株元をハサミで切る。
- 密集して発芽すると競争してよく成長する。形のよい、中くらいの生育度合いのものを残す。
- 1回目はふたばがそろった頃、2回目は本葉が出た頃が目安で、本葉が3-4枚になって定植するころに1本立ちできるようにする。
- 定植までにとなりの葉が当たらない間隔に間引きをする。
ポットに移植する(ポットあげ)
本葉が3-4枚以上に育ったら、育苗箱からビニールポットに移植(ポット上げ)をします。ビニールポットに種まきをした場合は不要です。根を傷つけないようにしましょう。
- 準備するもの
- ビニールポット 3号くらい
- 用土 市販で花用の元肥入り培養土が手軽です。
- その他は、手袋、土入れ、じょうろなど
- ポットに土を入れる。
- 苗をスプーンなどで取り出してポットに植える。苗は深めに植えたほうが、徒長しにくい。
- 直根性なので、根を傷つけないように注意する。
- 水やりをする。
- 注意事項
- 水やりは、渇いたらやる。乾かし気味のようが徒長しにくい。
- 日向に置く。日当たり不足だと、徒長してひょろひょろになる。
- 害虫対策は、種まき後と同じで、駆除したり、薬やネットで蝶とアオムシの対策をする。
植え付け
購入した苗や、種まきから育てて、蕾がついて開花するか、花の色がわかるようになったころに、鉢や地植えで定植します。
霜にあたると弱って枯れることもあるので、屋内に入れたりできる鉢植えがおすすめですが、花壇など屋外では霜よけができるところで、植え替えを繰り返さないように場所をよく選びましょう。
株間は15cm程度で、分枝するものは20cm以上にします。
根を傷つけないように、緩効性肥料を混ぜた土に植えます。
鉢に関して、こちらの記事を参考にしてください。
管理方法
- 置き場所 日当たりのよい場所で育てます。霜が当たると弱るので霜よけをします。鉢植えの霜よけは軒下に置き、屋内に入れるのは一時的にして、基本は屋外で育てます。
- 水やり 乾いたら与えます。地植えの場合は、ほとんど水やりは要りません。
- 肥料 定植の時に緩効性肥料を混ぜていれば、追肥は要りませんが、葉が黄色くなったり、株に元気がない時は、液体肥料を2週間ごとに与えるか、緩効性肥料を追肥します。
- 摘心 分枝するスプレー咲きの種の場合、中心の茎の蕾が出た頃にそれを摘むと、下から出る脇芽がよく伸びて、花が多くなります。
- 花がら摘み 花穂の下から順に咲いていきますが、終わった花は花径からとりましょう。枯れた花を残すと、余分な体力を使うことになります。
- 切り戻し 年内から咲き、年明けに新しい蕾がない場合は、早めに切り戻しをすると、再び花がつきます。咲いている花を切り花にして楽しめる長さで、または花が終わっていたら、葉を残して茎を1/2より下くらいの長さで切ります。追肥して、乾かし気味に水やりをして育てると、春には成長して蕾がつきます。切り戻しは1月中くらいにし、時期が遅いと成長しません。
- 支柱 草丈が高くなると倒れます。支柱を用意して支えましょう。
- 病害虫
- 立ち枯れ病 暑い時期に多湿で起こりやすい病気です。全体が急に萎れて枯れてきたら、その株は処分します。
- アブラムシ 洗い流したりして駆除したり、オルトラン粒状を株元にまきます。
こちらの記事も参考にご覧ください。
まとめ
春の花壇や、寄せ植えで人気のストックは、甘い香りが長く続きます。
花の色は、濃淡を含めると種類が豊富で、バラエティー豊かです。草丈は30cmくらいの矮性から、80cmくらいの屋外でも見栄えのする大きさのものもあります。
ストックは一重咲きと八重咲きがあり、ボリュームのある八重咲きが人気です。花苗は咲いている花を見て購入できますが、種まきの場合、ストックの特性上、一重と八重の選別が必要になります。
ここでは、ストックの育て方を種まきから紹介しました。種まき後の一重と八重の選別も解説しています。
ストックは花もちがよく、切り花としても長く楽しめます。
ストックの栽培をはじめてみませんか。
ストックの種はこちら。
夏の種まきの記事です。ぜひ参考にご覧ください。
ガーデニングの道具を紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。