水やりの基本を教えてください
水やりは植物を育てる上で欠かせませんが、足りずに枯れたり、やりすぎで弱ったり、失敗も多いのではないでしょうか。
たかが水やり、されど水やり。
この記事では、水やりについて解説します。
水やりがなぜ必要か、いつ、どうやるか、水やりの基本とコツを紹介します。
理解を深めて、もっともっとガーデニングを楽しみましょう。
夏の水やりについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
水やりとは
水やりとは、植物に水を与えることです。
植物の生育には、①光 ②温度 ③空気 ④養分 ⑤水分の5つが必要と言われていて、これらが不足すると成育できません。
水分は、屋外なら雨が適度に降れば解決しますが、雨不足や乾きやすい鉢植え、屋内栽培は、水やりで与えなければなりません。
また水やりで、水が土中に含まれる古い空気を押し出すことで、新たに空気が流れ込み、根は新しい空気を水分とともに取り込めるのです。
「水やり三年」という言葉があり、プロの農家さんでも言われます。
水やりの回数や量や与え方など、やり方がわかるにはそれくらいかそれ以上の経験が必要という意味で、環境に適した水やりは難しいものです。
水やりの基本事項
- 乾いたらたっぷりとやる
- 水やりは毎日とか何日おきとか、環境で一概に決められない。天候や季節によっても変わる。
- 「乾いたら」は、土を見て、わかりにくければ触って確認する。
- 「たっぷりと」は、鉢なら底から流れ出すくらい、地植えは少し土を掘ってみて中まで濡れていること。
- 水のやりすぎは根腐れをおこす。「乾いたらたっぷりと」
- 時間は朝が基本 夏場などよく乾く時期なら朝夕2回で、昼間は避ける。
- 朝の時間は 水やりの朝の時間とは、夜が明けてから、だいたい10時頃まで。夏はもう少し早く、冬は早朝は避ける。
- 夜は水やりをしない。夜間は乾きにくく、濡れたままでは病害虫の原因になりやすい。
- 株元に水をやる
- 葉や茎に水が残ると、レンズ効果で葉焼けになったり、カビなどの病気になりやすい。
- 花にはかけない。花が腐りやすくなり、花びらが変色することが多い。
- 株が茂っていると、上からかけても葉や茎が邪魔をして根に届かないので、株元にかける。
- 土に施肥がしてあれば、水やりで養分が溶け出して効果があがる。
- 葉や茎には、病害虫対策の薬剤を散布することがあるので、水をかけると薬剤の効果を出にくい。
- ハダニやアブラムシがついている場合は、植物を傷つけないように水で洗い流す。
- 乾きすぎて水をはじくなら、鉢はバケツにつける。地面は何回かに分けて少しずつしみ込ませる。
- 常温の水をやること ホースやバケツにたまって日射で熱くなったものはダメ。
- 地植えは雨次第、雨任せでもほとんど大丈夫 晴天が続き乾燥していれば水やりをする。
注意すること
水流(水圧)
水やりには、じょうろか散水ホースを使うことが多いと思います。
注意するのは、水流(水圧)です。水の勢いが強いと、土に穴が開いたり、土が跳ね返って飛び散り、しみ込む前に流れ出します。これでは水をあげたい植物の根にダメージを与え、水が届きません。
じょうろはハス口をつけ、ホースならヘッドはシャワーにして、優しく根に水が届くようにやりましょう。
じょうろのハス口(はすくち)
じょうろのハス口は取り外せるものが便利です。上向き、下向き、外して使うことができ、水が落ちる範囲や水圧が変わります。上向きは広い範囲を優しく、下向きは狭い範囲を強めに、取り外してしっかり株元に、状況によって使い分けましょう。
植え付け前の新しい土
鉢やポットに入れた植え付け前の新しい土に水をやると、土色の水が流れ出します。これは、土の微塵(細かい土)で、しっかり水をかけて微塵を流すと土のつまりが解消し、植えつけた植物の根が張りやすくなります。
植え付け前後は、土の微塵を水でしっかり流しましょう。
種まき、挿し木のあと
種まきや後は種が流れないように、挿し木の後は挿した部分を傷つけないように根が出やすいように、特にやさしく水をやりましょう。
液肥をやる時
液肥をやる場合は、普段の水やりのかわりに、用法通りの倍率になるよう液肥と水をじょうろに入れて、水やりをします。
この時、液肥の入った水は株元に与えます。上からかけると、葉や花に肥料がかかり、変色や腐敗の原因になります。
じょうろは、透明で目盛りのついたものが希釈しやすく、株元に与えるためにハス口が外せる細口のものが便利です。
鉢のウォータースペース
鉢植えの水やりは、鉢のウォータースペースを上手に使います。
ウォータースペースとは、土面を鉢の上端から数センチ下にして、水やりで水が溜まるスペースのことです。
ウォータースペースに溜まった水は、土にしみ込んで、鉢底から流れだすようにします。
水やりのまとめ
ここでは、植物の栽培に欠かせない水やりの基本として、なぜ必要か、どうやるかなどを解説しました。
基本は「朝に、株元へ、乾いたらたっぷりとやる」です。
「水やり三年」といわれるように、回数、量、やり方は一筋縄ではいかず、なかなか難しいものです。
水は不足しても、多すぎても植物は元気に育ちません。また、植物によって、水を欲しがるものと過湿を嫌うものがあり、それぞれの特性に合わせた水やりも必要です。
ここで紹介した基本とコツを押さえた水やりを続けることで、栽培の経験値が上がり、元気に成長してきれいな花が咲き、植物が応えてくれます。
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