皇帝ダリアは、初冬に迫力のある高さで豪華に大輪の花が咲く姿にとても人気があります。
この記事では、そんな皇帝ダリアの特徴と美しい花を咲かせるための育て方のコツを6つご紹介します。
もし植える場所があれば、あの大きく華やかな花を栽培してみましょう。場所に制限があれば、鉢植えや切り戻しで高さを抑えて小さめに仕立てることもできます。
また、高さのある皇帝ダリアに必要な支柱についても解説します。
栽培は難しくありません。初心者から上級者まで、どなたでも簡単にチャレンジできるので、ぜひ最後までお読みください。
皇帝ダリアの特徴と魅力
花の美しさとともに、その高さから「ダリア界の王様」とも称されるコダチダリアは、学名を和訳した皇帝ダリアという別名が有名です。
皇帝ダリアは、その名の通り、花の中でも特に威厳と美しさを兼ね備えた存在です。
皇帝ダリアの特徴と魅力を紹介します。
- 圧巻の高さ
- 地植えの場合、草丈は5メートルにも達することがあり、まさに「皇帝」の名にふさわしい堂々とした姿を見せてくれます
- 6月頃から何回か切り戻しをすると、高さを抑えることができます
- 茎と根
- 竹のような節のある太い茎で、高さを支えます
- 根は養分を蓄えて太った塊根(かいこん)になります
- 原産地
- 中南米が原産で、特にメキシコやグアテマラ、コロンビアの高地に自生しています
- 花
- 花の大きさは直径約10-15cmで、先端に近い葉のついた枝元から花の枝が伸び、1本の枝にたくさんの花が咲きます
- 代表的な色は、ピンクや薄い紫色で、中心部は黄色く、非常に華やかです
- 花びらが8枚の一重咲きが多く、また、最近は八重咲きもあります
- 短日植物
- 皇帝ダリアは短日植物(=日照時間が短くなると花芽ができて花が咲く)で、晩秋から初冬にかけて花を咲かせます
- 特に夏以降は、夜間に街灯などの光(灯り)があると、花芽がつきません
- 花芽ができるまでは、夜間は暗くなる必要があり、置き場所には注意します
- 霜に弱い
- 寒さに弱く、特に初冬の霜にあたると、一晩で枯れてしまいます
基本データ
名称 | コダチダリア 別名 皇帝ダリア |
栽培難易度(5段階) | ★★☆☆☆ |
植える時期 | 3ー5月頃 |
開花時期 | 11-12月頃 |
草丈 | 1-5mくらい |
花の色 | ピンク,紫など |
特徴 | 背丈が高い 短日植物 耐寒性は低い (特に霜に弱い) |
育て方
皇帝ダリアの基本的な育て方を紹介します。
植えつけるもの
皇帝ダリアの苗、または塊根を用意します。
植え付けの時期
3-5月頃が適期です。
場所
皇帝ダリアは日光を好むので、日当たりの良い場所に植えましょう。
また、夏の終わり頃または秋口からは、特に夜間はその場所を暗くします。皇帝ダリアは短日植物(=日照時間が短くなると花芽ができて花が咲く)なので、夜間に灯り(街灯やネオン)が当たると花芽がつかず花が咲きません。
植え方
植える場所があれば、地植えの方が迫力のある大きい皇帝ダリアを栽培できます。
小さめに育てるなら、鉢植えがおすすめです。
地植え
- 株間は50cm以上空けて植え付けます
- 直径、深さともに30cm以上の大きめの穴を掘ります
- 掘り出した土に緩効性の肥料または有機肥料を混ぜて使います
- 苗や塊根のひとまわり大きいくらいまで土を埋め戻し、そこへ苗や塊根を植えます
- 苗や塊根から芽が出ていたら、茎の一節分くらいまで深植えすると安定します
- 植えつけたら、たっぷりと水やりをしましょう
鉢植え
- 10号鉢(=直径30cm)以上の大きめの深鉢に植えます
- 元肥入りの培養土を使うと便利です
- 鉢に鉢底石を敷き、半分くらいまで培養を入れて、そこに苗や塊根を植えます
- 苗や塊根から芽が出ていたら、茎の一節分くらいまで深植えすると安定します
- 植えつけたら、たっぷりと水やりをしましょう
支柱
皇帝ダリアには支柱が必要です。植え付け時に根を傷つけないように挿しておきましょう。
- 地植え 最大長さ3-5mくらい(切り戻しで低く仕立てるなら2mくらい)の支柱を挿します
- 鉢植え 長さ1.5mくらいの支柱を挿します
成長とともに支柱に誘引します。
一般的に支柱は、2mくらいまでなら多く流通していて入手は簡単ですが、それ以上の長さになると、入手も設置も難しくなります。
しかし、草丈の高い皇帝ダリアを支柱などの支えなしで栽培するのは危険です。
皇帝ダリアを栽培する上で、高さについては以下を考慮しましょう。
- 2m以上の高さにする: 支柱、または、フェンスや建物の上階で支える
- 2m以下に低く仕立てる:一般的な支柱が使える高さに切り戻す
▶比較的長い支柱です。果樹用なのでしっかり支えます
▶便利な伸縮する支柱です
▶一般的なイボ付きの支柱です
花後の手入れ
花が終わったら、根元から3〜4節あたりで茎を鋸で切ります。株元にわらや落ち葉等でマルチングしたり、土を盛り上げて凍結を防ぎます。
切った枝は節ごとに切って乾かないように保管すると、来年の挿し穂として株を増やせます。
育て方のコツ
コツ1:適切な支柱の設置
皇帝ダリアは大きく成長するため、強風で倒れないように支柱が必要です。植え付け時に太くて長い支柱を立てましょう。
必要な支柱の長さの目安は、以下の通りです。 >>支柱について
- 地植え 長さ3-5mくらい(切り戻しで低く仕立てるなら2mくらい)
- 鉢植え 長さ1.5mくらい
コツ2:日照管理と暗所対策
皇帝ダリアは短日植物で、日照時間が短くなると花を咲かせます。とくに秋口からは、夜間は街灯の光などを避けて暗くすることが重要です。
コツ3:水やりと施肥
鉢植えの場合は土が乾いたら水をやりますが、庭植えの場合は基本的に不要です。
肥料も庭植えには不要で、鉢植えの場合は5月から10月に適量の緩効性肥料を施肥します。
コツ4:草丈の調整と剪定(切り戻し・摘心)
地植えの場合、草丈が5mにもなる可能性がありますが、地植えも鉢植えも剪定によって高さを調整することができます。
皇帝ダリアは高さが魅力ですが、一般の家庭では2mくらいまでに抑えたほうが無難です。
- 倒れたら危険
- あまり高いと花が見にくい
- 片づけるのが大変
- 長い支柱が入手しにくい
切り戻しの方法
- 6月頃から、主茎の高さが0.6-1mくらいになったら、主茎を切ります
- 切る場所は、それより下で枝が出ている所にします
- 主茎は竹のようになっているので、節の下で切ると空洞の茎に水がたまりやすくなります
- 節の少し上で切り、切ってから数日はビニールを被せて切り口を保護します(数日で乾きます)
- 主茎を切ると、その後、切った下にある枝が伸びます
- 下の枝がある程度伸びたら、またその枝を切り、高さを調整します
- 秋口には花芽を形成するので切りすぎないよう、切り戻しは遅くとも8月までにします
コツ5:花後の手入れ
花が終わったら、根元から3〜4節あたりで茎を鋸で切ります。株元にわらや落ち葉等でマルチングしたり、土を盛り上げて凍結を防ぎます。
切った枝は節ごとに切って乾かないように保管すると、来年の挿し穂として株を増やせます。
コツ6:冬越し対策
皇帝ダリアは耐寒性が低いため、冬場の管理が重要です。霜や雪を避け、土の温度が5℃を下回らないように保護します。
地植えはマルチングでしっかり防寒し、鉢植えは屋内に入れると安心です。
おすすめの皇帝ダリア
一重咲き
皇帝ダリアといえば、この花を一番見かけるのではないでしょうか。ピンク色の一重咲きの花がたくさん咲きます。
八重咲き
花にボリュームのある八重咲きです。白のホワイトエンジェルやピンクのダブルインぺリアリスが人気です。
まとめ
この記事では、皇帝ダリアの魅力と、その魅力を引き出すための育て方のコツを紹介しました。
華やかな花々が咲き誇る皇帝ダリアの最大の魅力は、やはり高さです。植えられる場所があれば、ぜひチャレンジしてください。
ちょっと大きすぎる!という場合は、鉢植えや剪定によって高さを調整することができます。
皇帝ダリアは高さが魅力ですが、一般の家庭では2mくらいまでに抑えたほうが無難かもしれませんね。
どこに植えても、
- 秋以降は短日にする
- 霜にあたらないようにする
に注意すれば、見事な花を楽しむことができます。
皇帝ダリアの栽培を始めてみませんか?
こちらの記事もぜひご覧ください。