ガウラは、風に揺れる白い花が蝶のように見えることから白蝶草(ハクチョウソウ)とも呼ばれる草花です。初夏から秋まで長く咲き続けるので、花壇やコンテナで楽しむことができます。
ガウラの育て方は意外と難しいと思っていませんか?
栽培は簡単で、誰でも簡単に美しい花を咲かせて、ちょっとしたコツで長く楽しむことができるのです。
この記事では、ガウラの育て方をまとめて解説します。
5月から11月まで長く楽しめる方法とは?
ぜひ最後までお読みいただき、ガウラ栽培の参考にしてくださいね。
ガウラ
ガウラは、長いおしべを持つ花形が蝶のように見えることから「白蝶草(ハクチョウソウ)」という別名があり、風で花が踊る姿は本当に蝶が舞っているように見えます。
花がピンクのものは「山桃草(ヤマモモソウ)」とも呼ばれます。
一輪の花は短命ですが次々に咲くので、春から秋まで長く開花し、暑さ、寒さに強い宿根草なので、毎年楽しむことができます。
もともと草丈は100cmを超える大きいものが多かったのですが、最近はコンパクトで低めの矮性品種もあり、また、途中で切り戻しをすることで低めに仕立てることもできます。
庭や花壇に群生させたり背景にしたり、大きめの鉢に寄せ植えをしたり、楽しみ方もいろいろあります。
基本データ
名称 | ガウラ |
栽培難易度(5段階) | ★☆☆☆☆ |
植える時期 | 4ー6月頃 |
開花時期 | 5-11月頃 |
草丈 | 100-150cmくらい 矮性種は30-50cmくらい |
花の色 | 白,ピンクなど |
特徴 | 開花期が長い 暑さ、寒さに強い 宿根草 直根性 |
育て方
ガウラの基本の育て方を解説します。
花苗の植え付け
- 時期
- 春3月から6月頃が適期ですが、春から秋まで植え付け可能です(真夏は避けます)
- 場所
- 日当たりのよい場所を好みます
- 半日陰でも育ちますが、花が少なくなります
- 植え方
- 鉢植えも地植えもできます
- 土は元肥入りの花用の培養土を使うか、元肥として緩効性肥料を混ぜましょう
- 大きく育てるには、株間は30cmほど必要です
- 直根性なので、根を傷つけないように、ほぐさずに植えます
▶鉢について次の記事で紹介しています
普段の手入れ
- 水やり
- 地植えは基本的には自然任せで大丈夫ですが、晴天が続き乾燥していたら水やりをします
- 鉢植えは、表面が乾いたら与えます
- 肥料
- 地植えは植え付け時に元肥を入れていれば不要です
- 鉢植えは、開花中は肥料が不足しないように、緩効性肥料を月1回程度、または、液肥を月2回程度与えます
- 花がら摘み
- 咲き終わった花はこまめに摘みます
- 上まで花が終わった茎は元から切ります
- 病気や害虫の対策
- 風通しや日あたりのよい場所では、ほとんど心配はいりません
冬越し
ガウラは耐寒性が強く、日本全国で栽培可能です。
(ただし一部の半耐寒性の品種は、冬場に霜や雪に当たると枯れてしまうことがあります。その場合は、冬前に鉢を室内や温室に移動させるか、霜よけのネットやビニールなどで覆って保護しましょう。)
ガウラは晩秋に地際で切り戻します。地上部分がなくなるか、株元で株が確認できる程度になりますが、春になると再び芽吹きが始まります。(切り戻しは後述します)
地植えは、ほとんど自然任せで大丈夫ですが、鉢植えの場合は、冬も鉢の表面が乾いたら水を与えましょう。乾燥させると根が傷んでしまうことがあります。
ガウラの育て方のコツ ー5月~11月まで長く楽しむためにー
簡単なお手入れで長く花を楽しむことができます。
摘心で花数を増やす
ガウラは、4月頃に摘心をすると、花数が増えます。先端の新芽を摘み取りましょう。
摘心をすると、わき芽が成長しやすくなり、枝分かれが増えます。何度か繰り返すと、枝が増えて草丈が低くなり、倒れにくい丈夫な株にできます。
摘心後は、花が咲く時期が少し遅くなりますが、その分花期が長くなります。
新芽が3~5cmほどになったら、新芽の下にある葉の付け根のところで切り取ります。
摘心をしたら、株元に緩効性肥料を少量与えるとよいでしょう。
剪定で花期を伸ばす(切り戻し)
ガウラは、開花期間中に適宜剪定をすると、花期を延ばすことができます。
花が咲き終わった花茎を剪定すると、新しい花茎が伸びて、また花が咲きます。
剪定の目安は、花茎の半分ほどを切り取ります。株が茂りすぎている場合は、思い切って根元から10cmほどを残して切りつめても大丈夫です。
剪定をしたら、株元に緩効性肥料を少量与えるとよいでしょう。
株の風通しが悪いと病害虫の被害が多くなるので、スッキリさせてガウラをしっかり成長させます。
株分けで株を長持ちさせる
ガウラは株が大きくなると花付きが悪くなったり、株が弱ったりすることがあります。その場合は、株分けをして株を更新しましょう。
株分けは春が適期ですが、1年を通じて可能です。
- 株を掘り上げて、根を洗い流します。
- 根を切り分けるか、手で引き裂いて、2~3個の芽がついた小株に分けます。
- 分けた小株を元の場所や別の場所に植え付けます。植え付けの際は、根を広げて土に埋め、株元を軽く押さえます。
- 水やりをして、しっかり根づくまでは乾燥に注意します。
ガウラは直根性ですが、太い根はなるべく傷つけないように、思い切って株分けしてください。
ガウラは種まきや挿し芽でも増やすことができますが、株分けが最も簡単で確実な方法です。株分けをして、ガウラの花を長く楽しみましょう。
ガウラの増やし方
株分けについては紹介しましたが、種取りと種まき、挿し木について解説します。
種取り
花がらをそのまま放置すると、種が取れます。
ぽろぽろと落ちるくらいになったら、取って保管します。
種をとって保管すれば、次のシーズンにその種をまいてふやすことができます。
種まき
ガウラは、こぼれ種でも育つほど発芽しやすく丈夫です。種も大きめなのでまきやすく、種まきにも挑戦しやすいと思います。
ただし、ガウラは直根性なので、植え替えが苦手です。何度も植え替えたりせず、種まき床やビニールポットに種をまいて育苗し、その後定植します。
- 時期
- 3月から5月頃
- 種まきの方法
- 好光性の種子なので、暗くする必要はなく、覆土が多いと発芽しません
- 用土は、種まき用の培養土か、普通の花用の培養土を使い、種まき容器に入れます
- 種まき床にばらまきするか、3号ビニールポットに2-3粒まいて、種が風で飛ばない程度にごく薄く土をかけます
- 水やりをします
- 直射日光を避けて、明るい場所に置きましょう
- 種まき後
- 2週間ほどで発芽します
- 発芽までは、乾燥しないように水やりをします
- 本葉4-5枚になったら、定植します
- 発芽したら定植までに、混みあった芽は、そっと引き抜くか、株元をはさみで切って間引きをします
種まき後の定植については、前述の花苗の植え付けを参考にしてください。
挿し木
ガウラの挿し木の適期は5月頃です。この時期は、ガウラの新芽が伸び始めているので、挿し木に適した若い枝が採れます。また、気温も高くなりすぎず、乾燥もしにくいので、挿し木の発根が促されます。
- 挿し木にする枝を採取する
- 勢いのある枝を選び、約10cmの長さで切り取ります
- 新芽が伸び始めている若い枝を選び、古い枝や花のついた枝は発根しにくいので避けます
- 水につけます
- 切り取った枝を水を張った容器に1時間ほどつけて吸水させます
- 挿し床の準備
- バーミキュライトや鹿沼土、または花用の培養土をポットや鉢に入れます
- 葉を取り除く
- 下の方の葉は全て取り除き、上の方の葉は半分程度に切り取ります
- 土に挿す
- 割りばしなどを挿し床に挿してから、枝をその穴にそっと半分くらいまで埋めて、土を押さえます
- 水やりをする
- 土が湿るくらいに水を与えます
- 日陰に置く
- 直射日光を避けて、明るい日陰に置きます
発根には約1か月ほどかかります。それまで、乾かないように水やりをします。
発根の目安は、新芽が出てきたり、葉が増えたりすることです。発根したら定植します。
定植については、前述の花苗の植え付けを参考にしてください。
▶挿し木については、次の記事を参考にしてください。
人気のガウラ5種
ガウラには、さまざまな花色や草丈の品種がありますが、ここでは代表的で人気の5種を紹介します。
リリポップピンク
草丈30〜40cmの矮性種と40〜60cmの中性種があり、淡いピンクの花が咲きます。可愛らしい雰囲気で、一番人気です。
クールブリーズ
草丈80~100cmになる高性種で、細く長く伸びる茎に白い花が咲き、風にそよぐ姿はまさに白蝶草です。
フェアリーソング
草丈30〜40cmの矮性種で、ピンクの花が咲きます。葉は銅葉や模様入りが多いです。
エメライン
草丈30〜40cmの矮性種で、ピンク系と白系の花があります。よく分枝するので、ボリュームのある株に栽培できます。
スパークリングホワイト
草丈30〜40cmの矮性種で、白い花が咲きます。繊細な美しさがあります。
まとめ
ガウラは、白やピンクの小さな花がたくさん咲く、涼しげで優雅な植物です。5月から11月まで長く楽しめるので、ガーデニングやインテリアにぴったりです。
ガウラの育て方は、基本的には丈夫で簡単ですが、以下のポイントに注意してください。
- 日当たり、風通しのよい場所に植える
- 水やりは土の表面が乾いたら行う(地植えは自然任せでよい)
- 摘心や剪定(切り戻し)をして、花を長く充実させる
ガウラには、さまざまな花色や草丈の品種がありますので、お好みのものを選んでみてください。
ガウラを育てて、爽やかな花の風景を楽しみましょう。今すぐ、ガウラの苗を注文して育ててみませんか?
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