7月に梅雨が明けると8月は夏本番がやってくる時です。
そして、次の秋や冬、そして年が明けて迎える春の準備として、種まきを始める時期です。
ここでは、7月、8月、そして、9月に種まきをする植物を6種紹介します。
よく知られていて栽培が比較的に簡単な植物を集めました。
①ハボタン ②コスモス ③キバナコスモス ④パンジービオラ ⑤ストック ⑥カーネーション
秋になればここで紹介する植物の苗が園芸店に並びますが、今年は種まきからはじめてみませんか。
では、夏の種まきを紹介します!
▶種まきについて以下の記事でそれぞれ詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
夏に種まきをする6種
今回紹介する6種の種まきや開花の時期をまとめてみました。
種まきの時期 | 開花の時期 | 特記事項 | |
ハボタン | 7月頃 | ー | 葉が色づく秋までに成長させる 寒さに強い |
コスモス | 秋咲き7-9月 (夏咲き4-6月) | 秋咲き10-11月頃 (夏咲き4-8月) | 好光性種子 丈夫 |
キバナコスモス | 4-7月頃 | 6-10月頃 | 好光性種子 丈夫 |
パンジービオラ | 8月中旬-10月初旬頃 | 11月-5月頃 | 好光性種子 寒さに強い |
ストック | 8-10月頃 | 11-4月頃 | 直根性 霜よけが必要 |
カーネーション | 9ー10月頃 | 4ー6月頃 | 好光性種子 |
種まきに便利です。
ハボタン
ハボタンは、お正月や冬の花壇を華やかに飾ります。
ハボタンの種まきと育苗は、種まきー間引きーポットに移植-定植 と進めます。
- 種まきの時期 : 7月頃。晩秋の寒さで葉が色づくので、それまでに株を成長させる。寒冷地では寒さが早いので、6月中旬ごろに早める。
- 種まきから発芽 : 育苗箱などに種をまくと、播種後2-3日で発芽する。発芽までは日陰に、発芽したらすぐ日なたに。(徒長対策)
- 間引き : 発芽後に数回間引きをしてしっかりとした苗を育てる。
- ポットに移植(ポットあげ) : 本葉が3-4枚程度になったら、2.5-3号ポットに移植して育苗する。株が小さいようなら、植え替えは1回ではなく、再度ひとまわり大きいポットに植えかえると大きくなる。
- 定植 : ポットに移植後、葉が広がり、底から根が見えたら、鉢や地植えで定植する。
種類豊富な種はこちら。
ハボタンの種まきは次の記事で詳しく紹介しています。
ハボタンの育て方全般はこちらの記事で紹介しています。
コスモス
コスモスには、夏咲き(早生品種・早咲き)と秋咲き(晩生品種・遅咲き)があります。種まきから開花までは、どちらも約2-3か月です。秋咲きの種まきは、7-9月頃にします。
夏に種をまく秋咲き種は、草丈があまり高くならず、また遅くまくほど低くコンパクトになります。
コスモスの種まきは、育苗箱やビニールポットで育苗してから定植するか、花壇やプランターに直まきもできます。
- まき床の準備 容器を使う場合は容器に用土を入れる。直まきの場合は、緩効性肥料を入れてよく耕す。
- 種をまく まき方は、1か所に2-3粒ずつまく。
- ビニールポットなら、1つのポットに2-3粒
- 育苗容器や直まきは、15cmくらい間隔をあけて1か所に3-4粒ずつ点まきにします。
- 細長い容器や場所なら、薄い筋をつけて2-3cm間隔にまくすじまきか、広い場所ならばらまきでもよい。
- 土をごく薄くかける コスモスは好光性種子なので発芽には光が必要です。飛んだり流れたりしないように、ごく薄く土をかけます。厚くかかると光が届かず発芽しません。
- 水をやさしくかける。霧吹きでもよい。乾かないように管理します。
- 間引く 播種後3日程度で発芽します。本葉が4-5枚になるまでに間引きをします。形のよい、中くらいの生育度合いのものを残します。
- 定植 育苗中の株の本葉が5-6枚になったら定植します。秋咲きの株間は10cm程度にします。
コスモスの種はこちらからどうぞ。夏の種まきは、秋咲き種です。
コスモスの種まきは次の記事で詳しく紹介しています。
キバナコスモス
キバナコスモスは、黄色やオレンジや深い赤系の花が、夏から秋に咲くコスモスの仲間です。
種まきの時期は4月から7月頃で、温度が高めでも発芽し、あまり早いと発芽しません。育苗箱やビニールポットで育苗してから定植するか、花壇やプランターに直まきもできます。種まき後2-3か月で開花するので、時期をずらして何度か種をまけば、開花の時期がその分ずれて、長く開花を楽しめます。
- まき床の準備 容器を使う場合は容器に用土を入れる。直まきの場合は、緩効性肥料を入れてよく耕す。
- 種をまく まき方は、1か所に2-3粒ずつまく。
- ビニールポットなら、1つのポットに2-3粒
- 育苗容器や直まきは、15cmくらい間隔をあけて1か所に3-4粒ずつ点まきにします。
- 細長い容器や場所なら、薄い筋をつけて2-3cm間隔にまくすじまきか、広い場所ならばらまきでもよい。
- 土をごく薄くかける 好光性種子なので発芽には光が必要です。飛んだり流れたりしないように、ごく薄く土をかけます。厚くかかると光が届かず発芽しません。
- 水をやさしくかける。霧吹きでもよい。
- 間引く 発芽は、少し時間がかかり、播種後10日前後です。本葉が3-4枚になるまでに間引きをします。形のよい、中くらいの生育度合いのものを残します。
- 定植する 生育した株の本葉が5-6枚になったら定植します。株間は20cm程度にします。
キバナコスモスの種はこちら。
キバナコスモスの種まきは次の記事で詳しく紹介しています。
パンジービオラ
秋から春まで長く咲く定番の花のパンジービオラの種まきの時期は、8月中旬(盆明け)~10月初旬頃ですが、発芽や生育の温度が20℃以下でなければ、発芽せず、発芽しても生育不良になります。
エアコンで20℃以下に調節できる室内で管理できれば、早く種をまくほど年内の早い時期に開花します。気温が20℃になる10月以降に種をまくと、年内には開花しませんが、春に花が咲きます。
- 種まきの容器(2号ビニールポット、プラグトレイ(128穴、72穴くらい)など)に用土を入れる。
- 種をまく:2号ポットなら2粒、プラグトレイなら1粒 をまく。種がとても細かいので、ピンセットや竹串を使ってまきましょう。
- 上から土をかける:パンジービオラは好光性(光を好む)種子なので、薄く軽くかける。(乾燥と飛び散り防止)
- 水をやさしくかける。霧吹きでもよい。
- 播種後1週間くらいで発芽するので、発芽したらすぐに日当たりのよいところに置いて、日光にあてる。
- ふたばが出て、本葉が出たら、薄めの液体肥料を週に一度与える。
- 1ポットに1本になるように間引く。
- セルトレイに種まきをしたら土が少ないので、種まきから1か月後くらいで、ひとまわり大きいポット(2号か2.5号くらい)に、鉢上げ(植え替え)すること。
- 種まきから2か月経過をめどに、庭や鉢に定植する。
パンジービオラの種はこちら。
パンジービオラの種まきは次の記事で詳しく紹介しています。
ストック
ストックは、甘い香りに包まれる春の花です。
8-9月にまくと、年内に開花します。発芽適温は20℃前後なので、気温が高い8月~9月中旬は、室内など涼しい場所で管理します。9月下旬以降の気温が下がってからの方が発芽率は上がりますが、年内の開花は難しくなります。
花は一重咲きと八重咲きがあり、花にボリュームのある八重咲きに人気があります。
種から育てる場合は、八重咲きとして購入した種でも、ストックの特性で、一重と八重が半分ずつの割合で含まれているため、種まき後に発芽するふたばを見て選別が必要です。
- 育苗箱やビニールポットなどの種まき容器に土を入れる(育苗箱の土は3cm程度の深さがあればよい。)
- 種をまく。
- ビニールポットなら、2-4粒ずつ
- 育苗箱なら、ばらまき。
- 軽く土をかける。
- 水やりをする。種が流れたり飛ばないように霧吹きなどでやさしく。
- 播種後3-4日後に発芽するので、1週間以内くらいのふたばの段階で、一重と八重を選別し、残すものはそのまま、残さない方は抜き取るか株元をハサミで切ります。
- 本葉が3-4枚以上に育ったら、育苗箱からビニールポットに移植(ポット上げ)をします。ビニールポットに種まきをした場合は不要です。
- 蕾がついて開花するか、花の色がわかるようになったころに、鉢や地植えで定植します。株間は15cm程度で、分枝するものは20cm以上にします。根を傷つけないように、緩効性肥料を混ぜた土に植えます。
ストックの種はこちら。
ストックの種まきと育て方は、次の記事で詳しく紹介しています。
カーネーション
カーネーションの増やし方で一番多いのは挿し木ですが、種まきから育てることができます。種まきの時期は、9-10月頃で20℃くらいが適温です。
カーネーションの種は小さく、出る芽はとても小さいので、苗を大きく育てるには、苗の大きさに合わせて何度か移植が必要です。種まきー間引きー移植・・・-定植 と進めます。
- 育苗箱、プラグトレイ(50穴、72穴くらい)などの種まき容器に土を入れる(育苗箱の土は3cm程度の深さがあればよい。)
- 種をまく。
- 容器なら、すじまき(土の上を割りばしなどで、ごく浅く薄い筋をつけて種をまく)か、ばらまき。
- 種の間隔は1-5cm程度。
- プラグトレイなら、1穴に1-2粒。
- 種は密にまくと競争してよく育つが、間引きが大変になる。
- ごく薄く土をかける。好光性種子なので発芽には光が必要です。
- 水やりをする。種が流れたり飛ばないようにやさしく。霧吹きでもよい。
- 間引きをする。播種後7-10日程度で発芽するので、1回目はふたばがそろった頃、2回目は本葉が出た頃が目安で、本葉が3-4枚になるころに1本立ちできるようにする。
- 本葉が3-4枚程度になったら、それまでより一回り大きい容器に移植する。株が小さいようなら、再度ひとまわり大きい容器に植えかえると大きくなる。(例:育苗箱(ばらまき)→2.5号ポット→3号ポットなど)
- 本葉が6枚くらいになったら、鉢や地植えで定植する。季節や開花状況で置き場所が変えられる鉢への定植がおすすめ。
カーネーションの種はこちら。
カーネーションの種まきは次の記事で詳しく紹介しています。
夏の種まきで気をつけること
今回紹介した植物の種まきとその後の管理での共通の注意点をまとめます。
- 置き場所 発芽までは日陰で、発芽後は日当たりのよい場所で育てます。日射不足は徒長します。また、風通しのよいところのほうが蒸れにくく、病害虫が予防できます。
- 水やり 発芽までは乾かないように注意します。その後は乾かし気味にし、乾いたら与えます。地植えの場合は、ほとんど水やりは要りません。
- 用土 新品を使いましょう。比較的に暑い時期に種をまくので、新品は雑菌の不安がありません。また、元肥が入った花用の培養土が便利です。
- 植え替えは深めに 苗が徒長気味の場合、植え替えの時に深めに植え、よく日光のあたるところで栽培してください。
まとめ
ここでは、7月、8月、そして、9月に種まきをする植物6種を紹介しました。
①ハボタン ②コスモス ③キバナコスモス ④パンジービオラ ⑤ストック ⑥カーネーション
よく知られていて栽培が比較的に簡単な植物を集めています。
種まきから始めると手間はかかりますが、その分愛着がわき、栽培の楽しみが広がります。
よく知る植物の栽培を種まきからはじめてみませんか。
こちらの記事もぜひご覧ください。
ガーデニングの道具を紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。