ハボタンの育て方を教えてください。
色鮮やかなハボタンは、正月の飾りつけには欠かせませんが、年々種類が増えて、洋風の寄せ植えに使われたり、切り花と一緒に室内に飾られたり、冬の間にとてもよく登場します。
この記事では、そんなハボタンの育て方として、植え方から置き場所、水やり、肥料など栽培の基本事項や、種の取り方、2年目以降の切り戻し、挿し木のやり方などを紹介します。初心者さんにもおすすめです。
栽培はかんたんで、7月の種まきからでも、秋以降に苗を入手してからでも始められます。
では、さっそくハボタンの栽培方法を紹介します。
ハボタンの基本データ
鮮やかな葉を観賞する葉牡丹(ハボタン)は、牡丹の花に似ていることから名づけられました。寒さに強く、冬になると正月飾りはもちろん、寄せ植えでも主役級の人気があります。
名称 | 葉牡丹 ハボタン |
栽培難易度(5段階) | ★☆☆☆☆ |
花の色 | 赤,ピンク,紫,白,黄緑など |
特徴 | 葉の形、株の大きさなど種類が多い 寒さに強い |
ハボタンの種類はこちらの記事で紹介しています。
種まきから始める
種まきは7月にします。
種まきー間引きーポットに移植-定植と手順は多いですが、発芽率は高く、成長を楽しめます。
- 種まき
- 準備するものは、種、容器(育苗箱、プラグトレイなど)、用土(暑い時期なので雑菌の心配がない新しい土)など。
- 種まきの容器に土を入れ、土の上に種をまいて軽く土をかぶせる。
- 種の間隔は1-5cm程度か、プラグトレイなら1穴に1-2粒。
- 種は密にまくと競争してよく育つが、間引きが大変になる。
- やさしく水やりをする。
- 置き場所は、発芽までは日陰か室内で、芽が出たらすぐに日なたに移動する。
- 間引き
- ピンセットで抜くか、株元をハサミで切る。
- 間引きは何回か行い、本葉が3-4枚になって定植するころに1本立ちできるようにする。
- 形のよい、中くらいの生育度合いのものを残す。
- ポットあげ(ビニールポットに移植する)
- 準備するものは、ビニールポット(2.5号か3号)、用土(市販で花用の元肥入り培養土が手軽)、竹串や割りばしやスプーンなど。
- 本葉が3-4枚以上に育ったら頃に行う。
- ポットに土を入れて移植する。竹串を箸のように使ったりスプーンなどで苗をとる。苗は深めに植えたほうが、徒長しにくい。
- 優しく水やりをする。
- 日向に置く。日当たり不足だと、徒長してひょろひょろになる。
- 定植
- ポットより大きく成長し、底から根が見えてくる頃に、鉢や地植えで定植する。
- 葉が色づく前に密に植えると発色しにくいので、寄せ植えは寒さで色が変わってからのほうがきれいです。
ハボタンの種まきの方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
苗を植えて始める
10-11月頃になると、ハボタンの苗が出回ります。
自然では葉は晩秋の寒さで色づきますが、秋に店頭に並ぶ株は前もって低温処理がされて色づいています。寒さが厳しくなると根が活着しにくく、植え替えのリスクが高くなります。苗を入手したら早めに鉢か地植えで定植しましょう。
入手した時の株の大きさにもよりますが、大型の株にしたい場合は、株間は20cm以上必要です。鉢に1株だけ植えたり、プランターや花壇に植える場合も、余裕をもって植えると、株は大きく成長できます。
寄せ植えや小型の株にする場合は、密に植えましょう。
元肥入り培養土を使うか、元肥として緩効性の肥料をまぜれば、追肥は不要です。
開花
鮮やかな牡丹の花のようなハボタンを楽しんだあとは、春にはトウが立ち花が咲きます。アブラナ科の植物なので、菜の花のような黄色い花です。
種を取る
花が咲いてからもそのまま栽培を続けると、花はやがてサヤになって種ができます。黄色くなって枯れてきた頃に採種できます。
ただし、ハボタンは一代限りの交配種(F1品種)が多く、自家採取(栽培したハボタンから採ったもの)の種は、元の株と同じものにならないことが多いです。自家採取の種を育てる場合、どんな苗になるのかを楽しむつもりで栽培しましょう。
切り戻し(踊りハボタン)
ハボタンは多年草ですが、観賞が終わってそのまま放置すると枯れてしまうことが多いです。
次のシーズンもハボタンを楽しむには切り戻しをします。
開花して種ができる前に花茎を切ると、新芽が伸びてその先に葉がつき、再びハボタンを楽しむことができます。茎がまっすぐに伸びないことが多く、踊っているような姿に見えることから、2年目以降に育てた草丈の高いハボタンを踊りハボタンと呼びます。
挿し木で増やす
切り戻しをして出る新芽を使って挿し木ができます。時期は5月ごろです。
- ビニールポットなどの挿し床に肥料を含まない土を入れる。土を湿らせ、用土の微塵(=みじん。細かい土。)を洗い流すために、水を十分にかける。
- 新芽が出ている茎を切り取り、水につけて吸水させます。
- 芽のついた茎を10-15cmくらい切り、下側はよく切れるハサミで斜めに切り、土に埋まる部分の葉は落として、再度吸水させます。
- 挿し穂の切断面が傷つかないように、挿し床の挿す場所に割りばしで穴を開けてから、挿し穂を差し込み、土で固定する。
- やさしくたっぷりと水をかける。
挿し木については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
栽培で気をつけること
置き場所
日当たりのよいところで栽培します。ただし、種まき後は発芽までは日陰か室内で、芽が出たらすぐに日なたに移動します。
寒さに強い植物ですが、霜にあたると葉が枯れます。軒下に移動するなどの対策が必要です。
水やり
種まき後の育苗は、水切れしないようにしますが、定植後は土の表面が乾いたらあげてください。
水が多いと徒長しやすく、また病気になりやすくなります。
地植えの場合、植え替えてしばらくは水やりをして、その後は自然の雨まかせで大丈夫です。
肥料
定植や植え替えの時の元肥があれば、花を開花させて楽しむ植物ではないため、基本的に追肥は不要です。特に秋に色づく頃に肥料が効いていると、色づきが悪くなると言われています。
一般的に葉の成長にはN(チッソ)が効きますが、ハボタンはNが効くと緑が濃くなるので、NPKが均等に配合されている肥料を使ったほうが全体の色が鮮やかになります。
種まき後の育苗中は、液肥を週に1回程度与え、植え替えや定植のときに元肥を含む用土を使うか、元肥として緩効性の肥料を与えます。
定植後に葉に元気がない時は、肥料成分が残りにくい速効性の液肥を与えます。
病害虫
- 病気
- 黒腐病、立ち枯れ病、べと病など、カビやウイルス性の病気があります。
- 株が枯れてきたりしたら、他に伝染しないように株を抜き取り処分します。
- 風通しをよくし、乾かし気味で水分過多にして罹患しないようにします。
- 殺菌剤で防除します。(ダコニール、ベニカXネクストスプレーなど)
- 害虫
- アブラナ科のため、蝶が来て卵を産みやすく、アオムシになると新芽を食べつくされます。
- 防虫ネットをかける、オルトランを土の上にまく、葉裏の卵やアオムシは見つけ次第排除する、などの対策が必要です。
まとめ
ハボタンは、華やかに色づく葉が寒い冬でも彩りを与えてくれます。
この記事では、ハボタンの育て方を紹介しました。
7月に種まきから始めるか、秋以降に出回る苗を入手して植えるところから始めるか、どちらも紹介しています。
色や葉の形、株の大きさや高さなど、種類豊富なハボタンは、寒い季節でも様々なシーンで楽しめます。多年草なので2年目以降は踊りハボタンを作ることができます。
ハボタンの栽培をはじめてみませんか。
ハボタンについて紹介している記事です。ぜひ参考にしてください。
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