洋ランの種類と特徴、育て方を教えてください。
ここでは栽培初心者向けに、代表的な洋ラン5種(カトレヤ、コチョウラン、デンドロビウム、シンビジウム、オンシジウム)を中心にランの分類や特長や育て方を一気にまとめて紹介します。
バルブや気根、日本語の表記に関しても解説します。
はじめての栽培には、オンシジウム、デンドロビウム、ミニ種のコチョウランがおすすめです。
鉢植えでも切り花にしても、長く毎年楽しめます。初心者向けの手ごろな栽培セットも紹介しますので、この記事からぜひ洋ランの栽培をはじめましょう!
ランの分類と特長的なもの
原産地による分類 東洋ランと西洋ラン
ランは世界中に何万という種類がありますが、日本では、原産地によって2つに分けて呼ばれることが多いです。
- 東洋ラン もともと日本と中国に自生しているもの
- 洋ラン 日本と中国原産の東洋ラン以外の地域で自生しているもの
一般的にたくさん流通していて、鉢植えをギフトにしたり、南国でレイにしたり、切り花で飾ることが多いのは洋ランです。
根の生え方による分類 着生ランと地生ラン
根の生え方で、ランの暮らしぶりが変わります。
- 着生ラン(ちゃくせいらん) 樹木や岩など、他のものに根でくっついて成育する。根は雨や空気中の水分を吸収するので乾燥に強い。くっつく相手から養分は取らないので、岩や木切れなど何でもよい。
- 地生ラン(ちせいらん) 根を地面に張って成育する。地中の養分や水分を根が吸収する。
着生か地生かを知ることは、ランを栽培する環境づくりに役立ちます。
バルブ
ランの栽培でよく耳にするのがバルブです。茎が肥大したもので、水分や養分を蓄えます。
バルブは、茎の一部や、茎全体、球根のように地表部と地下部など、ランの種類によってさまざまな形状があります。
水分や養分を蓄えているので、むやみに切り取ると、ランは成長不良になります。
気根 空気中に伸びる根
ランや観葉植物などに見られる空気中に伸びる根を気根(きこん)といい、空気中の水分を吸収します。
本来、着生ランは気根だけで成長できますが、一般に栽培しているランは、地中にも根があり、地中根と気根で水分のバランスをとっています。
気根を無理に地中に入れたり、見た目が悪いので切り取ったり、空気中に伸びる気根を排除しがちですが、気根が成長するのはランの成長に悪いことではありません。そのまま成長させてください。
洋ランの日本語表記
洋ランの日本語表記はそれぞれの花にいくつかあって、どれが正解? それともちがう花? とか迷いませんか?
調べてみると、洋ランはもともと日本の固有種ではなく、正式名称はアルファベット表記のため、それをローマ字読みやカタカナ読みをすると何種類かできちゃった…という”日本語あるある”のようで、どれが正解!というわけではないようですね。
- カトレヤ、カトレア 属名はCattleyaで”カトレヤ”が近いような気がしますが、最近は”カトレア”表記が多いです。
- 胡蝶蘭、コチョウラン、ファレノプシス 蝶が舞うような姿から”胡蝶蘭”と漢字があてられたようで(胡蝶は古くからあるチョウの別名)和名を”コチョウラン”といいます。属名はPhalaenopsisで”ファレノプシス” の表記も多くあります。
- デンドロビウム、デンドロビューム 属名は”Dendrobium”。
- シンビジウム、シンビジューム、シンビディウム、シンビデューム 属名は”Cymbidium”。
- オンシジウム、オンシジューム 属名は”Oncidium”。
などなど
<注>ここで使う”属名”は、正式には学名やその属の総称もありますが、”属名”としています。
洋ラン5種
洋ランの中で代表的な種類は5種で、カトレヤ、コチョウラン、デンドロビウム、シンビジウム、オンシジウムです。なじみがあって、入手しやすく、育てやすいこれらの5種を紹介します。
カトレヤ
洋ランの女王といわれるとても有名なランです。開花期が長く、鮮やかな色で楽しませてくれます。
大輪種から、最近では、ミディ種、ミニ種も多くあり、手軽に楽しむことができます。
最低気温(室温)は15℃以上の暖かいところを好むので、冬の置き場所に注意しましょう。
コチョウラン
開店や開業など、各種のお祝いによく使われるランです。
1本の花茎からたくさんの花が長い間咲き、多くは垂れ下がって咲くように仕立てられ、とても豪華です。
肉厚の葉が左右に広がります。花がしっかり咲くためには1株に濃い緑色でハリのある葉が4-5枚育つのが理想です。
寒さに弱いので、一年を通して日当たりのよい窓辺などの室内で栽培されることが多いです。
テーブルに上にも飾れる大きさのミニ種は育てやすく人気です。
デンドロビウム
いくつかの系統に分けて呼ばれますが、かつてはデンドロといえばこれ!とメジャーなのがノビル系です。
茎はバルブ形状で、節から葉が出て、多くは葉が落ちた茎にたくさんの花が1-2月頃に咲き誇ります。
花の咲いたバルブはもう花が咲くことはまずありませんが、養分を蓄えて放出するので、しわくちゃになるか倒れそうになるまで、切り取らないでください。
晩秋に10℃以下の低温に20日以上あたらないと花芽ができにくいので、しっかり寒さにあてましょう。寒さはあまり得意ではありませんが、屋内に取り込む時期に注意してください。
シンビジウム
洋ランの中でも、とても丈夫で寒さに強いのが特徴です。
多くの花茎は、細い葉よりも高く伸び、たくさんの花をつけます。花は優しい色合いが多く、華麗で豪華なイメージのランとはちがった雰囲気の魅力があります。
シンビジウムの花を咲かすポイントは芽かきです。
春先から9月頃は根気よく芽かきを行い、伸びる葉芽を整理し、花芽は傷つかないように整理しましょう。
オンシジウム
枝が垂れ下がるほどたくさんの黄色い花をつけるイメージで知られるランです。
黄色以外の花もありますが、赤茶色の模様がついた黄色が代表で、花の大きさは、小さいものから大きいものまであり、種類が豊富です。
春から秋までは、できるだけ長く日が当たるようにしましょう。
おすすめ5種のまとめ
紹介したおすすめ5種のポイントをまとめました。
根 | 開花時期 | 耐寒性 | 夏の遮光 | その他 | |
カトレヤ | 着生 | 品種でさまざま | 弱い | 50% | 暖かいところを好む 最低気温(室温)は15℃以上 あるとよい |
コチョウラン | 着生 | 3-5月頃 | 弱い | 50-70% | 暖かいところを好む 最低気温(室温)は15℃以上 あるとよい |
デンドロビウム | 着生 | 2-5月頃 | やや弱い | 30% | 寒さにやや弱いが、晩秋に10度 以下の低温に20日以上あてな いと花が咲かない |
シンビジウム | *半着生 | 12-3月頃 | やや弱い | 50% | 冷涼なところを好む 冬の暖房は苦手 根気よく芽かきをする |
オンシジウム | 着生 | 品種により春、秋、冬 | やや弱い | 50% | 夏場はできるだけ長く日にあて ないと花が咲かない |
栽培初心者におすすめ3種
洋ラン栽培の初心者には、まず オンシジウム、デンドロビウム、ミニ種のコチョウラン をおすすめします。
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育て方のコツ
ランの種類のよって若干の違いはありますが、特に以下の2つが重要です。
日当たりと遮光
寒さに弱いもの以外は、春~夏~秋は屋外で、冬は屋内で栽培し、特に春からの日当たりが花を咲かせるには重要です。
一方日光は必要ですが、強い直射日光を浴びると葉焼けします。焼けた葉は、元に戻らず株が弱るので、日光の直射は絶対に避けなければなりません。
必要なのは遮光です。
建物の影や大きな木の陰は、逆に遮光されすぎることもあります。
遮光率が表示された市販の遮光ネットを上手に使って、それぞれのランに適した遮光を目指しましょう。
水やりと肥料
着生ランは乾燥を好みます。水ゴケなどの植え付け部が乾いていることを確認してから水をあげてください。特に冬場の水やりは、1-2週間に1度くらいのかなり控えめにしてください。
また、春から秋ごろは、肥料をしっかり与えて成長させましょう。置き肥は形が残っていても毎月取り換え、1週間に1度程度は希釈した液肥を混ぜた水やりも有効です。冬場の肥料は不要です。
こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
ここでは、初めてのかた向けに、ランの分類や特長や育て方を一気にまとめました。
バルブ、気根、日本語の表記に関しても紹介しています。
洋ランの中でも、なじみがあって入手しやすく育てやすい5種(カトレヤ、コチョウラン、デンドロビウム、シンビジウム、オンシジウム)を紹介し、バルブ、気根、日本語の表記に関しても解説しました。
栽培がはじめての方にはまず最初は、オンシジウム、デンドロビウム、ミニ種のコチョウランをおすすめします。
洋ランを身近に感じて興味をもってもらえたら光栄です。
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