パンジービオラの種まきのコツを教えてください
パンジービオラは、量販店やお花屋さんの店先に時期が来るとたくさんの花苗が並びますが、種をまいて育てたことはありますか?
花が咲いた後の花がらに、小さい種がぎっしりと詰まっているのを覚えている方も多いのではないでしょうか。
アサガオやヒマワリの種をまいたことがあっても、パンジービオラはあまり種まきがポピュラーではありません。発芽や成長の過程で失敗も多いです。
ポイントは時期と温度!
この記事では、パンジービオラの種まきの方法とポイント、その後の管理方法や、花がらからの種取りについて解説します。
ポイントを押さえて種まきをすれば、日々の成長に感動し、株が充実して開花した時の達成感は格別です。育てた花から種をとれば、次の楽しみが増えます。
この記事を参考に、パンジービオラの種まきから花苗づくり、そして来シーズンに向けての種取りにチャレンジしてみましょう。
▶パンジービオラの以下の記事もぜひご覧ください。
▶種まきについて以下の記事でそれぞれ詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
パンジービオラ
花壇や鉢植えで、秋から春まで長く咲く定番の花のパンジービオラ。
花の大きさや、色、花びらの形状など、種類はとても豊富です。
店先で気に入った花苗を選んで植えるのも楽しみ方の一つですが、種をまいて育てるのは、手間はかかりますが、芽が出て、葉が出て、蕾が膨らんで、開花するという成長の喜びを大きく感じることができます。
パンジービオラの栽培自体はやさしい部類ですが、種まきからの苗づくりは、発芽しない、成長しない、という失敗が多いです。
ポイントは温度です。
難易度は少し高めですが、ポイントを押さえて挑戦してみましょう。
基本データ
名称 | パンジービオラ |
栽培難易度(5段階) | ★☆☆☆☆ |
種まき難易度(5段階) | ★★★★☆ |
種まきの時期 | 8月中旬-10月初旬頃 |
開花の時期 | 11月-5月頃 |
発芽適温 | 20℃ |
生育適温 | 5ー20℃ |
花の色 | 紫,黄,白,オレンジ,水色,ピンク,赤茶など |
特徴 | 開花期が長い 寒さに強い 好光性種子 |
以前は、花の大きさが、大きいものを「パンジー」、小さいものを「ビオラ」と呼びましたが、最近は花の種類が増え明確な区別が難しく、総称して「パンジービオラ」と呼ぶことが多いようです
種まきとその後の管理
種まきの時期
パンジービオラの種袋や栽培ガイドには、
- 種まき時期 : 8月中旬(盆明け)~10月初旬頃
- 発芽適温:20℃
- 生育適温:5ー20℃
こんな感じで書かれているものが多いと思いますが、これが難しいのです。
時期は、「年内に開花させたいなら、逆算して、種まきは8月でないと間に合いません」という意味で、8月なら大丈夫、ではないのです。
また、パンジービオラは、発芽や生育の温度が20℃以下でなければ、発芽せず、発芽しても生育不良になる、というのは絶対です。
8月に20℃なんて今の日本ではありえませんよね。
なので、以下のどちらかになります。
種まき後定植までの育苗期間は約2か月で、その間20℃以下をキープすることで立派な花苗の栽培ができます。
毎年8月にパンジービオラの種まきと育苗をする知人は、起床とともに明るいリビングに、夜は寝室へ、エアコンの効いた部屋に苗床を移動しています。大変ですが立派な苗ができています。
準備
- 種:
- 購入したり、花がらからとったら、冷蔵庫で保管しましょう。
- 早ければ春頃から店頭やインターネットで販売されます。気に入った品種は早めに購入しましょう。
- 種まきの容器:ビニールポット(2号)、プラグトレイ(128穴、72穴くらい)など。(プラグトレイの場合は、定植までにポットなどへの鉢上げが必要。)
- 用土:種まき用土や花用の培養土が便利。
その他は、ピンセット、手袋、移植ごて、じょうろなど
お気に入りのパンジービオラの種を見つけましょう。
種まきの仕方
- 容器に用土を入れる。
- 種をまく:2号ポットなら2粒、プラグトレイなら1粒 をまく。種がとても細かいので、ピンセットや竹串を使ってまきましょう。
- 上から土をかける:パンジービオラは好光性(光を好む)種子なので、薄く軽くかける。(乾燥と飛び散り防止)
- 水をかける。
発芽までは日陰に置き、乾かないように水やりは優しくしましょう。1週間くらいで発芽すると思います。
種まき後の管理
- 発芽までは日陰に、発芽したらすぐに日当たりのよいところに置いて、日光にあてる。発芽後の日照不足は、徒長(ひょろひょろ)して、しっかり成長しない。
- 乾燥させないこと。やさしく水やりをする。
- ふたばが出て、本葉が出たら、薄めの液体肥料を週に一度与える。
- 1ポットに1本になるように間引く。(ピンセットを使ったり、株元をハサミで切ってもよい)
- セルトレイに種まきをしたら土が少ないので、種まきから1か月後くらいで、ひとまわり大きいポット(2号か2.5号くらい)に、鉢上げ(植え替え)すること。竹串2本を箸のように使うとやりやすい。
定植
発芽後の生長はかなりゆっくりですが、種まきから2か月経過をめどに、庭や鉢に定植しましょう。10月に種をまいても、寒さが厳しくなる前の年内には、定植しましょう。
定植して根が張ってしっかり成長すると、花付きがよくなります。
- 地植え、鉢植えともに日当たりと風通しのよい場所を好みます。
- 株間は10cm以上、特に地植えは20cmくらい取りましょう。
- 地植えは、土を耕し緩効性肥料(マグアンプKなど)を少量混ぜ、鉢植えは、花用に売られている用土が便利です。
- 植え付け後は、たっぷり水をあげましょう。
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種取り
パンジービオラの種は、インターネットや量販店や花屋などで購入できますが、咲いた後の花がらからとって保存すれば、次のシーズンにまくことができます。
- 時期 4-5月頃。花盛りのころは、株のために花がらは摘んだほうがよいので、開花期が終わるころがよい。
- 取り方
- 種をとりたい株の花がらを残す。
- 枯れるまで放置する。
- 花がらが枯れて乾いたらとる。完全に乾くと弾けて種が落ちるので、その前のほうがとりやすい。
- 保管 取ったら紙の袋に入れて1-2週間乾かし、その後はビニール袋に入れて冷蔵庫で保管する。
- 注意点 花がらからとった種は、元の株と同じ花が咲かないことがあります。(下記F1種を参照)
F1種とは
花や野菜の種や苗を購入するとF1と表示されたものをよく見かけます。これは一代限りの交配種で、その子供や孫への遺伝が保証されていません。優良な株づくりが目的ですが、F1種と同じ品質のものは、F1種を販売している種苗会社から購入するしかありません。F1種に対して、代々遺伝によって引き継ぐ在来の種は固定種といいます。
まとめ
パンジービオラは、花壇や鉢植えの定番の花ですが、花苗を買うことが多く、種まきは少数派かもしれません。
パンジービオラの種まきから苗づくりのポイントは温度です。
この記事では、パンジービオラの種まきについて、そのポイントを中心に解説しました。また、咲いた花から種をとる方法を紹介しました。
種をまいて育てるのは、手間はかかりますが、成長の喜びを日々実感できます。自分で種をとれば次のシーズンの楽しみが増えます。
ぜひ種まきにチャレンジしてください!
お気に入りのパンジービオラの種を見つけましょう。
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