アジサイの種類を教えてください。
梅雨時期に咲くアジサイはとてもよく知られている花で、もともと地味なイメージでしたが、改良が進められたり、変異株が見つかったりして、今では華やかな種類も多くあります。そんなアジサイの種類は、数千以上あると言われます。
植物学的な種類は、定義や区別が難しいので、ここでは、花の咲き方の分類やよく耳にする種類について解説します。
アジサイを見て楽しむときや、これから栽培するアジサイを選ぶヒントにしていただければ、と思います。
花の咲き方による分類
花の咲き方は、主に3つに分けられます。
ガク咲き | 中心に小さな花のつぼみが集まり、その周りを大きなガクの花が囲むように咲く | |
手まり咲き | 大きなガクの花が球形に咲く | |
円錐咲き(ピラミッド咲き) | 円錐状に花が咲く |
大きな花の花びらに見えるのはじつは花のガクで、ガクの中心の小さな点が花です。
また、ガク咲きの中心に集まる小さな蕾とその周りのガクが大きな花は、生理学的に異なるもの(種ができるかできないか)で、ガク咲きは2種類の花の集合体です。
ガクは3ー5枚の一重が多いですが、八重もあります。
アジサイの種類と特長
ガクアジサイ <2種類の花の集合体>
アジサイの原種。中心に小さな花のつぼみが集まり、その周りを額縁のように大きな花が囲むガク咲きで、ガクアジサイと呼ばれます。
関東周辺の温暖な沿岸部に自生し、開花は少し遅い7月頃です。
アジサイ <大ぶりな花が多く華やか>
ガクアジサイが改良されて大きなガクの花が全体に手まり状に咲くもので、一番よく見かけるポピュラーなアジサイです。梅雨の6月頃に咲きます。
品種としては、ガクアジサイを改良して手まり状に大きなガクの花が咲くのがホンアジサイで、そのホンアジサイがさらに豪華に欧米で改良されたのがセイヨウアジサイだそうですが、この2つを区別するのは難しく、手まり咲きのタイプを単にアジサイと呼ぶことが多いです。
ヤマアジサイ <小ぶりで山野草に似た雰囲気をもつ>
元々、九州から北関東あたりの太平洋側の山中に自生していた日本原産のアジサイです。ガク咲きで、ガクアジサイとは、もとの自生地や開花時期が異なるものの、違いは分かりにくいです。
見た目の違いは、ヤマアジサイのほうが、葉も花も樹高も全体的に細く小ぶりで、光沢がなく薄く細長い葉を持ちます。ヤマアジサイの開花時期は、スタンダードなアジサイと同じ6月頃ですが、ガクアジサイは少し遅い7月頃です。
カシワバアジサイ <特長的な形の花、紅葉が楽しめる>
柏餅のカシワに似た葉を持ち、スタンダードなアジサイと同じ6月頃に円錐咲きの真っ白い花が咲きます。花が終わり秋になると、葉は色づき、紅葉が楽しめます。
ノリウツギ <開花は少し遅い7月、高木になる>
他のアジサイより少し遅い7月に、円錐咲きの花が咲きます。また、3m以上の高木になるくらいよく成長するので、鉢植えには向かず、大きくできる場所での地植えをおすすめします。
アナベル <時期で花の色が変わる>
アメリカ原産のアジサイで、アメリカアジサイとも呼ばれます。花は、手まり咲きの大輪がたくさん咲き、蕾の頃は薄緑、開花すると白、満開を過ぎると再び緑、と花の色が花の時期とともに変化する人気種です。最近は白だけでなくピンクも登場し、白と同じように時期で色が変わります。
ラグランジア <他にない花の多さ>
比較的新しい品種のラグランジアは、花がつく場所が最大の特長です。一般的にアジサイは枝の先端で花が咲くので1枝に花は1つですが、ラグランジアは、先端だけでなく枝から出る芽ならばどこでも花芽がついて開花するので、花の数が圧倒的に多く、おまけに葉が小さいので、開花期の株は花であふれて見えます。
アジサイの選び方
アジサイを選ぶポイントを紹介します。
- 色 単色か、濃淡のあるものか。また、アジサイの花の色は土や環境で変化しますが、鉢植えなら入手した時の色が維持しやすいです。
- 花の咲き方 ガク咲き、手まり咲き、円錐咲きの3種類があり、それぞれに個性があります。また、ガクは一重が多いですが、八重になるとより華やかになります。
- 開花の時期 梅雨の6月に咲くものが多いですが、少し遅い7月に咲く種類も多くあります。
- 大きさ 1.5mくらいまでの低木が多いですが、ノリウツギは3m以上の高木に育つので、サイズ選びは重要です。
- 種類と雰囲気 手まり咲きのアジサイは華やかで、ガクアジサイはもう少しキリっとした感じがします。白いアナベルは清楚な雰囲気です。気になる種類のアジサイありませんか。
アジサイの色の変化については、こちらの記事で紹介しています。ぜひ参考に見てください。
まとめ
よく知られているアジサイですが、その種類は数千種以上あると言われます。
この記事では、花の咲き方による分類とよく聞く基本の7種類をピックアップして紹介しました。
アジサイは花木なので、毎年楽しむことができますが、その分長い付き合いになるでしょう。
種類によってアジサイの雰囲気や佇まいがずいぶん違います。
この記事を参考に、好きなアジサイを見つけて、長く楽しんでいただけたら、と思います。
以下の記事もぜひご覧ください。
アジサイについてこちらの記事でも紹介しています。ぜひ参考に見てください。
ハボタンについて紹介している記事です。ぜひ参考にしてください。