ガーデンシクラメンの種のとり方を教えてください。
ガーデンシクラメンは、種まきで増やせます。
タネは市販されていますが、育てているガーデンシクラメンがあれば、その株からタネをとって増やしてみましょう。
ここでは、ガーデンシクラメンのタネのとり方について紹介します。
タネはおしべとめしべが交配してできます。普通は自然交配でタネができますが、人口受粉もできます。
タネがどうやってできるか、人口受粉や採種の時期や方法、保管について解説します。
花を楽しみながら株を育てたら、次はタネをとり、来シーズンはそのタネをまきましょう。
ガーデンシクラメンの楽しみ方が増えますよ。
ガーデンシクラメンの種(タネ)
ガーデンシクラメンの花が咲いている時におしべの花粉がめしべについて交配すると、タネができます。
交配してからタネが成熟して採れるようになるには、100日以上かかるので、開花している冬に交配しても、夏の前になります。
原種の場合はそのタネから同じ株が育ち同じ花が咲きますが、自家採取では、原種以外の場合は同じ花は咲きません。パンジービオラなどでも言われますが、品種改良されたものは一代限りの交配種で、その子供や孫への遺伝が保証されていないからです。5つのタネを育てると、すべて別の色の花が咲くかもしれません。
どうやってできる?
おしべの花粉がめしべにつく交配によってタネができます。
交配は、風や虫による自然交配と人間が花粉をめしべにつける人口受粉があります。
多くの花のおしべとめしべは、開花した花の内側の中央にありますが、シクラメンのほとんどの花は、蕾が膨らむと通常5枚の花びらが反り返って咲くので、おしべとめしべは花びらの下側にあります。
中心に1本のめしべとその周りに5本のおしべがあります。
ただし八重咲きの品種は、おしべがありません。これは、八重咲の品種は5本あるおしべが花びらに変化して本来の5枚の花びらと花を形成しているためで、八重咲の品種は別の品種の花粉を交配しなければ、タネはできません。
人口受粉するなら
開花している花のおしべの花粉を綿棒や柔らかい筆やブラシなどに取り、めしべにつければ人口受粉ができます。満開になった花で、しっかりした茎の花を選んで受粉しましょう。
花粉をつける時は、花びらをとりさってめしべを露出させてから、1回だけでなく何回か行ったりすると交配の成功率が上がります。
別の株の花粉で交配すれば、また違った花が咲くかもしれません。
タネの取り方
- タネを採りたい株の花がらを残す。
- 自然受粉の場合は、しっかりとした茎を残す。細くて弱い茎は交配ができにくい。
- 人口受粉の場合は、受粉した茎を残す。
- タネができているか確認する。
- しばらくして、茎がくるくると丸まったところや、花びらが落ちた後が、丸く膨らんできたら交配が成功し、種ができます。
- 自然に実が枯れて乾くまで放置する(交配後100日以上)。
- 実が破れて(弾けて)タネが見えたら、採種する。
- 実のついた茎の根元をねじりながら茎ごと引き抜く(シクラメンの花がら摘みと同じ)。
- タネの色は茶色っぽいこと。白いと未成熟なのでほとんど発芽しない。
- 雨天などは避け、乾燥した状態で取り出す。
- ティッシュペーパーの上などで、実からタネを取り出す。
- タネの周りがゼリー状の膜で覆われていたら水洗いしてそれを落として乾かす。
- 完全に乾燥した状態で袋に入れ、冷蔵庫などで保管する。
- 種まきは9月末から11月頃が適期です。
ガーデンシクラメンの種まきはこちらの記事で詳しく紹介しています。
注意すること
花がらからタネができますが、花がらを残すとタネを成熟させるのにエネルギーを使うため、花付きが悪くなります。
花を楽しむためには、咲き終わった花はこまめに摘んで処分します。タネを作るために残す花がらは1株に1-2本くらいにしたほうが、株は元気です。
1つの実から、タネは20粒前後とれます。
まとめ
ガーデンシクラメンのタネのとり方を紹介しました。
タネはおしべとめしべが交配してできます。普通は自然交配でタネができますが、人口受粉もできます。
タネが成熟するには交配後100日以上かかるので、タネとりのために多くの花がらを残すと、株は種づくりに疲れて花が少なくなります。花を楽しみながらタネ取りをするなら、1株に残す花がらは1-2本にしましょう。
そもそも原種以外なら、自家採取の種は何色の花が咲くかわかりません。また近くに株が何種類かあると、どの花粉がどの花についたかによっても咲く花は変わります。
ガーデンシクラメンの種まきは、発芽に時間がかかりあまり簡単ではありませんが、育てる楽しみがあり、どんな花が咲くかワクワクします。
タネを作ろう、残そうと思わなくても、案外取り忘れた花がらが結実しているかもしれません。
ぜひタネをとって育ててみてください。成長が楽しみですよ。
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