金魚草を種から育てたいのですが… 種まきや育て方を教えてください。
ここでは、キンギョソウの種まきのやり方やその後の管理を紹介します。
キンギョソウは、種からでも育てやすい花ですが、種まき→ポットに植え替え→定植の順で、何度か植え替えて育てます。
種をまいたらそのまま放置、とはいきませんが、植え替えは植物栽培の基本手順です。ぜひトライしてください! 種から育てて花が咲いたときの喜びや感動は格別ですよ。
キンギョソウ
キンギョソウは、金魚に例えられる独特の形の花が房状にたくさん咲きます。
宿根草ですが、過湿を嫌うので高温多湿の日本の夏の環境は厳しく、一年草の扱いが多いです。
色はカラフルで多種あり、草丈は、花壇や寄せ植えに向く20-30cmの矮性種、切り花によく使われる1mくらいになる高性種、その中間の中間種と、選ぶ楽しみもたくさんあります。
基本データ
名称 | キンギョソウ |
栽培難易度(5段階) | ★★☆☆☆ |
種まきの時期 | 9ー10月頃 気温20℃くらい |
開花時期 | 4ー6月頃 |
草丈 | 矮性:20-30cmくらい 中間:30-80cmくらい 高性:1mくらい |
花の色 | 白,ピンク,赤,黄,オレンジなど |
特徴 | 開花期が長い 好光性種子 過湿を嫌う 耐寒性、耐暑性がある |
種まき
時期とポイント
キンギョソウの種まきと育苗は、種まきー間引きー移植・・・-定植 と進めます。
- 種まきの時期 : 9-10月頃。15-20℃くらいが適温。
- 種まきと移植 : キンギョソウの種は小さく、出る芽はとても小さいので、苗を大きく育てるには、苗の大きさに合わせて何度か移植が必要です。(最初から広い大きいところでは育ちにくい)
- 好光性種子 : キンギョソウは好光性種子なので発芽には光が必要。種をまいたら上に土はごく薄くかける。(種子の乾燥防止)
- 発芽 : 播種後7-10日程度で発芽する。
- 間引き : 発芽後に数回間引きをする。
- 移植 : 本葉が3-4枚程度になったら、それまでより一回り大きい容器に移植する。その後育苗するが、苗が小さいようなら、もう一度ひとまわり大きい容器に植えかえると大きくなる。(例:育苗箱(ばらまき)→2.5号ポット→3号ポットなど)
- 定植 : 本葉が6枚くらいになったら、鉢や地植えで定植する。さらに成長させるためには、寒さが厳しくなる前の年内に定植するのがおすすめです。
- 直根性 : キンギョソウは直根性の性質をもつので、移植や定植など植え替える時は、根を崩さず、傷めないように注意しましょう。
準備するもの
- 種
- 種まきの容器:育苗箱、プラグトレイ(50穴、72穴くらい)、ピートバンなど。
- 用土:種まき用土や花用の培養土が便利。
キンギョソウの種はこちら。
種まきの容器と土が一緒になったピートバンは便利です。
育苗箱はこちら。
手順
- 種まき容器に土を入れる(土は2-3cm程度の深さがあればよい。)
- 種をまく。
- 容器なら、すじまき(土の上を割りばしなどで、ごく浅く薄い筋をつけて種をまく)か、ばらまき。
- 種の間隔は1-5cm程度。
- プラグトレイなら、1穴に1-2粒。
- 種は密にまくと競争してよく育つが、間引きが大変になるので、種が重ならないようにまくとあとが楽。
- 種子の乾燥防止のために、土はごく薄くかける。好光性(光を好む)種子なので発芽には光が必要です。
- 水やりをする。種が流れたり飛ばないように、霧吹きを使うか、底面給水(水をはった容器に種をまいた容器を入れて底から吸水させる)にする。
播種後7-10日すると発芽します。
間引き
- ピンセットで抜くか、株元をハサミで切る。
- 密集して発芽すると競争してよく成長する。形のよい、中くらいの生育度合いのものを残す。
- 種の間隔にもよるが、1回目はふたばがそろった頃、2回目は本葉が出た頃が目安で、本葉が3-4枚になるころに1本立ちできるようにする。
- 間隔をあけてまいた場合は、となりの葉が当たらない間隔を保つように間引きをする。
移植
- 準備するもの
- ビニールポット 2.5-3号くらい
- 用土 市販で花用の元肥入り培養土が手軽です
- その他は、手袋、土入れ、竹串や割りばしやスプーン、じょうろなど
- ポットに土を入れる
- 苗をスプーンや箸などで取り出してポットに植える。プラグトレイの場合は竹串を箸のように使うととりやすい。
- 水やりをする。
- 注意事項
- 水やりは、渇いたらやる。
- 日向に置く。
- 薄めの液肥を10日おきくらいに与える。
苗の成長が遅い場合は、さらにもう一度ひとまわり大きい容器に移植して育苗します。
定植
本葉が6枚くらいになったら、鉢や地植えで定植します。
鉢やプランターに元肥入りの培養土を入れ、花壇など地植えなら、よく耕して緩効性肥料を少量入れて植えます。
植えつけたら、水やりをします。
鉢に関して、こちらの記事を参考にしてください。
その後の管理
- 場所 日当たりよいところで育てましょう。風通しのよいところのほうが蒸れにくく、病害虫が予防できます。
- 水やり 過湿を嫌うので、乾かし気味にし、乾いたら水やりをします。地植えの場合、自然の雨任せでも大丈夫ですが、日照りが続いたら水やりをします。
- 肥料 植え付け時に元肥を入れます。その後は、肥料は不要です。
- 摘心 中心の茎が伸びて葉の節が5-6節以上になったら、先端を切り取って(手で摘めます)摘心します。下の節から脇芽がのびて、枝が横方向に広がり、株にボリュームが出て花が増えます。ただし、切り花用に高く育てる場合は、摘心は不要です。
- 支柱 背が高い場合は、支柱を立てて支えます。
花がら摘みと種取り
花がら摘み
花穂の下から順に咲いていきますが、終わった花は花径からとりましょう。枯れた花を残すと、余分な体力を使うことになります。
種取り
枯れた花を残すと種が取れ、次のシーズンにまいて増やせます。種をとる分の花がらはそのまま放置し、十分乾燥したら種を取り、小袋等に入れて保管してください。
ただし花がらからとった種は、元の株と同じ花が咲かないことがあります。(下記F1種を参照)
F1種とは
花や野菜の種や苗を購入するとF1と表示されたものをよく見かけます。これは一代限りの交配種で、その子供や孫への遺伝が保証されていません。優良な株づくりが目的ですが、F1種と同じ品質のものは、F1種を販売している種苗会社から購入するしかありません。F1種に対して、代々遺伝によって引き継ぐ在来の種は固定種といいます。
まとめ
この記事では、キンギョソウの種まきを紹介しました。
キンギョソウは種からでも育てやすいですが、種をまいてから何度か植え替えて育てます。いきなり大きな広い場所では大きくしっかりと成長しません。
秋に種をまいてから、植え替えでしっかりと育て、春にかわいらしい花が咲きます。
種取りも簡単なので、その種で来年は増やせます。
花壇や鉢植え、切り花でも楽しめるキンギョソウを種から育ててみませんか。おすすめです。
キンギョソウの種はこちらです。
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