ブーケや寄せ植えなどでよく見かけるピンクの実のなる花の名前を知っていますか?
ヒペリカムです。
ピンクの実は知っていても、名前やどんな花が咲くかはあまり知られていないような気がします。
ヒペリカムは季節ごとに変化する実と花を楽しむことができます。この記事では、ヒぺリカムの育て方と実を楽しみポイントを紹介します。
ただし、すべてのヒペリカムにかわいい実がつくわけではないので、ここでは実のつくヒペリカムに限定します。
初夏に黄色い花が咲き、その後はかわいらしい実が楽しめる魅力的な植物です。栽培しやすい植物なので、この記事を参考にぜひ育ててみてくださいね。
ヒペリカムの特徴と魅力
ヒペリカムは、黄色い花とかわいらしい実が特徴のオトリギリソウ科の落葉低木です。
6-7月頃の初夏に黄色の花が咲き、花が終わると、花の中心部が丸くて愛らしい実になります。1か月程で順にピンクや赤、緑、黄などに順に色づいていき、上向きに美しく実ります。
花と実を楽しんで早めに剪定すると、秋には再び開花し、1年に2度楽しむことができます。
暑さ寒さにも強く、日向で育てることでたくさんの花が咲き実がなります。
ただし、ヒペリカムには数多くの品種があり、すべての品種であのかわいい実がつくわけではありません。
ここでは、実のつくヒペリカムに限定して紹介します。
夏の乾燥には注意が必要ですが、初心者でも育てやすい植物です。
基本データ
名称 | ヒペリカム |
栽培難易度(5段階) | ★★☆☆☆ |
植える時期 | 3ー4月頃 |
開花時期 | 6-7月頃 |
草丈 | 50-100cmくらい |
花の色 | 黄色 |
実の色 | ピンク、赤、黄色、緑 など |
特徴 | 落葉低木 耐寒性は高い 耐暑性は高い |
育て方
ヒペリカムの基本の育て方を紹介します。
花苗の植え付け
花苗を入手して植えましょう。
- 時期
- 3-4月頃、または、10月頃
- 場所
- 日当たりのよい場所を好みます
- 半日陰でも育ちますが、花が少なく、発色が悪くなります
- ただし強い日差しに長時間当たると葉焼けを起こすため、夏は注意が必要です
- 耐寒性があるので、冬場の心配はいりません
- 植え方
- 地植え
- 生育旺盛なため、地植えがおすすめです
- 株より一回りくらい大きい穴を掘ってよく耕し、元肥として緩効性肥料を混ぜまて植えつけます
- 鉢植え
- 土は元肥入りの花用の培養土を使うと便利です
- 大きめの鉢に用土を入れて植えつけます
- よく育つので、毎年植え替えが必要になります
- 植え付け後は根付いて元気になるまで、乾燥しないように水やりをします
- 地植え
普段の手入れ
- 水やり
- 地植えは、自然まかせでほとんどいりません
- 地植えは晴天が続いたり、鉢植えは表面が乾いたら、たっぷり与えます
- 冬場は地上部は枯れますが、春~夏と同じように、基本は自然まかせで、乾燥していたら水を与えます
- 肥料
- 花が旺盛に咲いている場合は、特にいりません
- 花付きが悪い場合は、3月と9-10月頃に油粕や緩効性肥料を与えます
- 花がら摘み
- 花の中央部が実になるので、咲き終わっても摘みません
- 剪定
- 3月
- 春から伸びる枝の先端で花が咲くので、枝が伸びる前に剪定します
- 場所に余裕がある場合や大きくしたい場合
- 不要な古い枝は株元で切ります
- 全体を整えます
- 小さくしたい場合
- 20-30cmの高さで切ります
- もっと小さくする場合は、15cmくらいの高さで切りますが、芽が残るようにします
- 6月下旬
- 実がきれいな状態のこの時期に剪定すると、9月以降にもう一度花が咲きます
- 20-30cmの高さで切ると株を小さくできますが、芽が残る高さで、全体を見て切ってください
- 切った下から脇芽が伸びて花が増えます
- 花と実を1年に1回楽しむ場合は、6月の剪定は不要です
- 11月
- 終わった実のついた枝を切り、冬越しします
- 3月
▶おすすめの剪定ばさみはこちらの記事で紹介しています
実を楽しむためのポイント
ヒペリカムの実を楽しむためのポイントを紹介します。
- 花がらは摘まない
- 花の中央部分が残って実になるので、咲き終わった花は残しましょう
- 日光に当てる
- 日光に当たると色が鮮やかに変化していきます
- 日光不足だと、色が鮮やかにならず、黒っぽくなっていきます
- 実の色の変化を楽しむ
- 実の色は少しずつ変化していくので、長くて2か月以上その変化を楽しむことができます
- 実の色は品種によって、ピンク、赤、緑、黄色などがあります
- 実は種になる
- 実の中には種ができます
- 徐々に茶色になって弾けると、成熟した茶色の種ができています
- この種をまいてふやすことができますが、大きくするにはかなり時間がかかります
- ふやすには、挿し木がおすすめです
- 花や実を楽しむには
- 日当たりと剪定がポイントです
- 日当たりのよいところで育てましょう
- 強い日差しに当たると葉焼けを起こすため、夏は注意が必要です
- 3月に剪定して新しい枝が出ると、その先に花が咲きます
- 食べられる?
- 食べることはおすすめしません
- 観賞用として楽しんでください
挿し木で増やす
ヒペリカムを増やすには、挿し木がおすすめです。
- 時期
- 5ー6月頃
- 挿し穂の準備
- 若い枝で、出てすぐの柔らかい枝より、少し硬くしっかりした枝を選びます
- 長さは10cmくらい切ります
- 先端の蕾は切り落とします
- 葉を2-3枚残し、土に入れる枝の下側の葉は落とします
- 葉が大きい場合は、半分くらいを切ります
- 土に入れる下側は、よく切れるナイフで斜めに切り、水につけます
- 土に挿す
- 土をいれたビニールポット等の挿し床に挿して、水をやります
▶挿し木については次に記事で詳しく紹介しています
おすすめのヒペリカム花苗
ヒペリカムは数多くの品種がありますが、ここでは、実のつくヒペリカムの苗を紹介します。
赤系
実は薄いピンクから鮮やかな赤に変化します。
白系
白い実がつきます。
まとめ
ヒペリカムは、その特徴的な実と美しい花で庭やベランダを彩ります。
この記事では、ヒペリカムの育て方や楽しみ方について解説しました。
ヒペリカムのすべての品種で実がつくわけではありません。
ここでは、実がついて、育てやすく、花と実の変化を楽しめる品種を紹介しましたので、この記事を参考に実のなるヒペリカムの魅力をぜひ体験してみてください。
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