大きな木の枝に緑の丸いかたまりがありました。
あれは何ですか?
冬に葉の落ちた木の枝に緑の丸いかたまりがモコモコついているのを見かけたことはありませんか?
「ヤドリギ」です。
ここでは、そんな不思議なヤドリギを紹介します。
木々の中からヤドリギを見つけると、幸運が舞い込むかもしれません。
ヤドリギ
冬に葉が落ちた木の枝に緑の丸いかたまりのようなものを見つけることがあります。
ヤドリギといい、木に寄生する常緑樹です。
公園や森林、河川敷、神社などにある大木に多く見られ、スキーやスノーボードを楽しむ冬の雪山で見られることも多いです。
寄生木、宿り木、宿木とも書きます。
鳥の巣と間違えることもありますが、鳥の巣は、枯枝や枯草を集めた茶色っぽいかたまりが多く、ヤドリギは、常緑樹なので多くは葉が茂り緑のかたまりに見えます。
基本データ
名称 | ヤドリギ (ヤドリギ類の総称) |
分類 | ビャクダン科(従来はヤドリギ科とされてきた) |
特徴 | 他の樹木の枝に寄生するが、光合成は自分の葉(一部は茎)で行う半寄生植物 |
寄主 (寄生する相手) | エノキ、ケヤキ、サクラ、コナラ、ブナ、ミズナラ、シラカバなどの落葉広葉樹 |
寄生植物は2つのグループにわけることができます。
全寄生植物は、寄主(寄生する相手)となる木に根を下ろし、水や養分など生きていくためのすべてを寄主に依存します。そのため、寄主の成長に影響を与えます。
これに対して、寄主に寄生し水や養分を吸収するものの、自分自身に葉緑体を持ち、葉(一部は茎)で光合成を行うヤドリギは半寄生植物と呼ばれます。寄主と共存し成長します。
ヤドリギの繁殖
ヤドリギはどのように繁殖するのでしょうか。
1.実が成る 花が咲き終わると白っぽい(黄、赤もある)実をつけます
2.鳥が実を食べる 実のまわりの果肉は消化されます
3.鳥がフンをする 実の中にあった未消化の種子をフンと一緒に落とします
4.種子が寄主の枝にうまくつくと、寄生根とよばれる根が侵入して寄生し成長する
実や種子を普通の栽培のように土にまいても発芽しません。水を土から吸収することができないからです。
植物は、風や昆虫の力を借りて自然繁殖しますが、ヤドリギは鳥まかせ、鳥次第ですね。
伝説や神話
ヤドリギは幸福を呼ぶ木、愛の木、神が宿る木として古来より大切にされてきました。
西洋では、「クリスマスにヤドリギの下にいる女性はキスを拒めない」、「ヤドリギの下でキスすると幸せになれる」など、伝説や神話も多く、映画版のハリーポッターにもそんなシーンが出てきます。
日本でも万葉集に「ヤドリギを髪に飾って長寿を願った」という大友家持の歌が収められています。
楽しみ方
広葉樹が落葉すると、ヤドリギを見つけるチャンスです。
いつもの散歩コースや電車や車の中からなど、ヤドリギを探してみましょう。
1m以下の低木に小さいヤドリギを見つけ、珍しくてまじまじと観察したことがあります。
残念ながらヤドリギは、人口的な栽培はかなり難しいといわれていますが、最近は寄主付きのヤドリギが売られているようで、観賞用に適しています。
まとめ
ヤドリギは幸福を呼ぶ木といわれています。
ヤドリギを見つけたり、リースとして飾ったり、観賞したり。幸せが舞い込むかもしれません。
ヤドリギを探してみませんか。